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会社設立 外国人 費用

外国人の会社設立の費用|法定費用・資本金3,000万円・設立後の維持費まで総額で見積もる

外国人の会社設立の費用|法定費用・資本金3,000万円・設立後の維持費まで総額で見積もる

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日本で会社設立をしようとしている外国人の方で、「結局いくら用意すればいいのか」がつかめずにいる人に向けて書きました。手続きを手伝う行政書士や、取引先・人事として相談を受けた日本側の担当者にも、見積もりの前提をそろえる材料として使ってもらえる内容です。

外国人の会社設立の費用は、検索すると「6万円から」「20万円前後」といった数字が出てきます。どれも間違いではありませんが、それは登記までの法定費用の話です。在留資格「経営・管理」を取るなら資本金の基準があり、設立後には毎月の支出も始まります。

このページでは、費用を3つの財布に分けて全体の地図を描き、細かい話は子記事へつないでいます。金額は2026年10月時点で各機関が公表している内容にもとづく目安で、前提条件もあわせて書いています。

外国人の会社設立の費用は「3つの財布」で数える

会社設立の費用を、出ていく時期で3つに分けた図
会社設立の費用を、出ていく時期で3つに分けた図

外国人が日本で会社設立をするときに出ていくお金は、性質のまったく違う3種類が混ざっています。ひとつめは、定款認証や登記のために国や公証役場へ納める法定費用と、その周辺の実費。ふたつめは、在留資格を取るために会社に入れておく資本金。みっつめは、会社ができた翌月から毎月かかる家賃や人件費です。

この3つを1本の見積もりに混ぜてしまうと、比べようがなくなります。たとえば「会社設立パック15万円」と「会社設立費用3,000万円以上」は、同じ言葉を使っていても指している財布が違います。前者は手続きの代金、後者は資本金の基準の話です。

3つの財布と、それぞれの中身
3つの財布と、それぞれの中身

注意したいのは、財布2の資本金は「消えるお金」ではないという点です。払い込んだ資本金は会社の口座に入り、事務所の契約や人件費に使っていきます。つまり財布2と財布3は、中身が重なっていきます。一方、財布1は払ったら戻ってきません。

内訳の細かい数え方は、費用の内訳の記事で一行ずつ整理しています。見積書を受け取ったときに、どの行が法定費用で、どの行が報酬なのかを見分ける材料になります。

このセクションの根拠:JETRO「日本での拠点設立方法」(https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section1/page1.html)

SECTION 02法人設立の費用:株式会社と合同会社の差は10万円以上

株式会社と合同会社の法定費用を比べる
株式会社と合同会社の法定費用を比べる

財布1のうち、法律で金額が決まっている部分を先に固めます。外国人の法人設立でも、日本人の会社設立でも金額は同じです。

設立時の法定費用(電子定款の場合)
項目 株式会社 合同会社
定款認証の手数料 資本金100万円未満3万円/100万円以上300万円未満4万円/それ以外5万円 不要
定款の謄本 1ページ250円 不要
登録免許税 資本金の1000分の7(15万円に満たないときは15万円) 資本金の1000分の7(6万円に満たないときは6万円)
紙の定款にした場合の収入印紙 4万円 4万円

※ 株式会社の定款認証手数料は、資本金の額等が100万円未満で、発起人全員が自然人で3名以下、発起設立、取締役会を置かない、のすべてを満たすときは1万5,000円とされています。日本公証人連合会・国税庁の2026年10月時点の公表内容による目安です。

資本金が小さい会社で比べると、株式会社は登録免許税15万円に定款認証の手数料が加わり、20万円前後になります。合同会社は登録免許税の6万円が中心です。資本金の額や手数料の区分によって変わりますが、差は10万円を超えます。これが「合同会社は安い」と言われる理由です。

ただし、資本金を3,000万円にすると話が変わります。1000分の7で計算すると21万円になり、最低額を上回るためです。この計算は株式会社でも合同会社でも同じなので、資本金3,000万円の場合、差は定款認証の手数料と謄本代の分だけに縮みます。

資本金の額ごとの登録免許税(株式会社)。1000分の7と15万円の高いほうで、2026年10月時点の税額表による
資本金の額ごとの登録免許税(株式会社)。1000分の7と15万円の高いほうで、2026年10月時点の税額表による

どちらの形を選ぶかは、費用だけで決めるものではありません。取引先からの見え方や、出資者を増やす予定があるかどうかも関わります。株式会社と合同会社の比べ方は、合同会社カテゴリーの比較記事にまとめています。

このセクションの根拠:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)

資本金3,000万円はいつから、誰に必要な費用なのか

資本金3,000万円の基準が当てはまる人を整理する
資本金3,000万円の基準が当てはまる人を整理する

「外国人 会社設立 3000万円」という検索がとても多く、関連する質問にも「いつから?」が並びます。出入国在留管理庁の資料では、在留資格「経営・管理」の許可基準が改正され、令和7年(2025年)10月16日から3,000万円以上の資本金等が必要になったとされています。

ここで押さえておきたいのは、これが在留資格の基準であって、会社設立そのものの条件ではないことです。法人の場合は、株式会社の払込済資本の額、または合同会社などの出資の総額を指すとされています。日本で会社設立をして、その会社の経営者として経営・管理の在留資格を取る外国人に当てはまる数字です。

  • 当てはまる人これから経営・管理の在留資格を取って、日本で会社を経営する外国人。
  • すでに経営・管理で在留中の人施行日から3年を経過する日(令和10年10月16日)までの更新申請は、経営状況や基準に適合する見込みなどを踏まえて判断するとされています。
  • 施行日前に受け付けた申請改正前の基準を適用するとされています。
  • 永住者・日本人の配偶者等など活動に制限のない在留資格なので、この基準の対象にはなりません。

あわせて、改正では常勤職員1人以上の雇用、日本語能力、経歴、事業計画書の専門家確認も基準に入りました。資本金だけをそろえても足りないため、外国人が日本で会社設立をする計画は、資本金と人と事務所をセットで組むことになります。

3,000万円をどう用意し、その出どころをどう説明するかは、資本金カテゴリーの記事で扱っています。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「「経営・管理」の許可基準の改正等について(令和7年10月16日施行)」(https://www.moj.go.jp/isa/content/001448070.pdf)

永住者の会社設立と資本金10万円の会社:費用はどこまで下がるか

資本金を小さくしたときの費用のバランス
資本金を小さくしたときの費用のバランス

関連キーワードには「永住者 会社設立 資本金」があり、関連する質問には「資本金10万円の会社ってどうなの?」が出てきます。どちらも、在留資格の基準に縛られない人の会社設立の話としてまとめて考えられます。

永住者や日本人の配偶者等、定住者といった在留資格を持つ外国人は、日本での活動に制限がありません。会社設立をして経営者になっても、経営・管理への変更は不要で、3,000万円の基準も関係しません。この場合、資本金は会社法の考え方だけで決めることになり、会社法の上では1円からでも設立できます。

資本金10万円の会社を費用から見ると

資本金10万円で株式会社をつくると、定款認証の手数料が3万円(資本金100万円未満で条件を満たせば1万5,000円)、登録免許税が最低額の15万円です。手続きの費用だけで資本金を上回ります。合同会社なら登録免許税6万円で済みますが、それでも資本金の半分以上です。

資本金10万円と1,000万円以上で変わること
資本金10万円と1,000万円以上で変わること

金額が小さいこと自体は違法でも不利でもありません。ただ、会社の口座にお金がほとんどない状態で始めると、家賃の支払いや仕入れを社長個人の立替えでつなぐことになり、帳簿の整理が手間になります。法人口座の審査で事業の実態を聞かれたときにも、説明の材料が少なくなります。

資本金の決め方を、会社法の下限と在留資格の基準に分けて考える記事も用意しています。

このセクションの根拠:国税庁「No.6531 新規開業や法人の新規設立のとき」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6531.htm)

05会社設立の後にかかる費用:最初の1年の維持費と税務

会社設立の後、最初の1年に出ていくお金
会社設立の後、最初の1年に出ていくお金

外国人が日本で会社設立をしたあと、見落とされやすいのが財布3です。設立の費用は一度きりですが、こちらは毎月、毎年続きます。しかも経営・管理の基準では、事業所の確保と常勤職員1人以上の雇用が求められ、自宅を事業所と兼ねることは原則として認められないとされています。家賃と人件費は避けられない支出になります。

設立後1年目に積み上げる項目(金額は事業によって大きく変わるため入れていません)
設立後1年目に積み上げる項目(金額は事業によって大きく変わるため入れていません)

税務の面では、設立後すぐに届出の期限が来ます。国税庁の案内では、法人設立届出書は設立の日以後2か月以内、給与支払事務所等の開設届出書は開設の日から1か月以内とされています。青色申告の承認申請は、設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了の日のうち早い日の前日までです。

そして事業年度が終わると、原則としてその翌日から2か月以内に法人税の申告と納税をします。決算を税理士に頼むなら、その報酬も1年目の計画に入れておきます。

1年目の資金計画のつくり方、税務の届出、決算と申告の流れは、それぞれ子記事に分けています。

このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

外国人の会社設立の費用を抑える方法と、補助金の確かめ方

会社設立の費用を抑えるときの考え方
会社設立の費用を抑えるときの考え方

費用を抑える余地があるのは、主に財布1です。電子定款にすれば紙の定款の収入印紙4万円がかかりません。合同会社を選べば定款認証がなく、登録免許税の最低額も下がります。専門家に頼む範囲を、登記だけ、在留資格だけ、と切り分ける方法もあります。

  1. 電子定款にする収入印紙4万円の分が浮きます。作成には専用の環境が要るため、対応している専門家に頼むのが一般的です。
  2. 会社の形を見直す合同会社なら定款認証の手数料がかかりません。資本金3,000万円の場合は登録免許税が同額になる点に注意します。
  3. 依頼の範囲を決める全部を任せるか、書類の作成だけ頼むか。見積もりに翻訳や証明書の取得が含まれるかも確認します。
  4. 支援制度を調べる自治体の創業支援や、国の外国人起業活動促進事業など。対象と時期を公式の案内で確かめます。

反対に、削らないほうがよいのは在留資格にかかわる部分です。事業計画書の専門家確認は改正で義務になりました。事務所の契約を安さだけで選んで基準に合わなければ、申請そのものがやり直しになります。結果として高くつくのはこちらです。

補助金・助成金は「あとから」「公募ごとに」

関連キーワードに「外国人 会社 設立 補助金」が出てくるように、補助金を当てにする相談も少なくありません。ただ、補助金や助成金は制度ごとに対象者・対象経費・募集期間が決まっていて、会社設立をした外国人なら誰でも受け取れるというものではありません。使えるかどうかは、その時点の公募要領を読んで判断することになります。

中小企業基盤整備機構のJ-Net21では、起業に関する支援情報がまとめられています。住んでいる自治体の創業支援窓口と合わせて確認し、申請の時期が会社設立の日程と合うかを見てください。

このセクションの根拠:中小企業基盤整備機構「J-Net21 起業支援」(https://j-net21.smrj.go.jp/startup/index.html)

よくある質問

よくある質問。判断の材料としてお読みください
よくある質問。判断の材料としてお読みください

検索の「関連する質問」に出てくるものを中心に、費用の相談でよく聞かれることをまとめました。結論は事案によって変わります。

外国人の起業で3,000万円が必要になったのはいつからですか。

出入国在留管理庁の案内では、在留資格「経営・管理」の許可基準の改正は令和7年(2025年)10月16日施行とされています。施行日の前日までに受け付けた申請には改正前の基準が適用され、すでに経営・管理で在留中の人の更新には、令和10年10月16日までの経過的な取り扱いが示されています。

外国人が会社を設立するには、資本金はいくら必要ですか。

会社法の上では1円から設立できます。ただし、その会社を経営するために在留資格「経営・管理」を取る場合は、3,000万円以上の資本金等が基準になります。永住者など活動に制限のない在留資格の人には、この基準は当てはまりません。

会社設立の費用は、全部でいくら見ておけばよいですか。

登記までの法定費用は、電子定款の株式会社で20万円前後から、合同会社で6万円前後からが目安です。これに実費と専門家の報酬が加わります。資本金や設立後の維持費は別の財布として、事業計画に沿って積み上げてください。

自分で手続きをすれば費用はかかりませんか。

報酬はかかりませんが、法定費用と実費は自分で進めても同じだけかかります。紙の定款にすると収入印紙4万円が必要になるため、電子定款に対応した専門家へ頼んだほうが安くなる場合もあります。

この項目の根拠:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html)

SECTION 08まとめ:外国人の会社設立の費用は財布ごとに確かめる

会社設立の費用を見積もる順番
会社設立の費用を見積もる順番

外国人が日本で会社設立をするときの費用は、設立の手続き、在留資格のための資本金、設立後の維持費の3つに分けると、ようやく比べられる形になります。

見積もりを取る前の確認リスト
見積もりを取る前の確認リスト
  1. 会社の形と資本金の額を決める。ここで法定費用はほぼ確定する
  2. 自分に必要な書類を洗い出し、外国人ならではの実費を足す
  3. 依頼する範囲を決め、報酬に何が含まれるかを聞く
  4. 設立後1年分の支出を積み、資本金の額と突き合わせる

金額は2026年10月時点の公表内容にもとづく目安です。手数料や税額、在留資格の基準は改正されることがあります。最終的な見積もりは、依頼先の専門家と、国税庁・日本公証人連合会・出入国在留管理庁の最新の案内で確かめてください。

このセクションの根拠:日本公証人連合会「会社の定款認証手数料の改定」(https://www.koshonin.gr.jp/chg_teikanfee)

見積もりを手にしたら

費用の数字は、何が含まれているかが分かってはじめて意味を持ちます。見積書を受け取ったら、どの行がどの財布に入るのかを書き込んでみてください。抜けている財布が見つかれば、それが次に確認することです。

日本で会社設立をする外国人の方にとって、いちばん重いのは資本金と設立後の維持費です。手続きの費用を数万円削るより、1年目の資金が足りるかを先に確かめたほうが、事業も在留資格も安定します。

数字は改正で変わります。気になる項目があれば、所管の機関のページと、会社設立や在留資格に詳しい専門家に一度あたってみてください。

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