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会社設立 外国人 費用

会社設立の後にかかる維持費|外国人が日本で事業を続けるための1年目の資金計画

会社設立の後にかかる維持費|外国人が日本で事業を続けるための1年目の資金計画

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日本で会社設立をしたあと、毎月いくらかかるのかを知りたい外国人の方に向けた記事です。資本金の額を決めるために、設立後の支出を積み上げたい場面を想定しています。

会社設立の費用は一度きりですが、維持費は続きます。外国人が在留資格「経営・管理」を目指す場合、事務所を借りて常勤職員を雇うことになるため、この部分が大きくなります。

以下の金額は考え方を示すためのもので、実際の額は地域や事業の内容によって大きく変わります。自分の場合の数字に置き換えて使ってください。

01維持費は「毎月」と「毎年」に分かれる

支出のリズムを分けると、資金繰りが見えてきます
支出のリズムを分けると、資金繰りが見えてきます

会社設立の後にかかるお金は、毎月出ていくものと、年に一度まとまって来るものに分かれます。この2つを分けて数えると、資金繰りが見えてきます。

毎月出ていくのは、事務所の賃料、人件費、社会保険料、通信費、会計の顧問料などです。年に一度来るのは、決算と申告の費用、法人住民税の均等割、各種の更新にかかる費用などです。

維持費の4つのかたまり
維持費の4つのかたまり

日本で会社設立をした外国人にとって、これらに加えて在留期間の更新にかかる費用も定期的に発生します。会社の維持費とは別に見ておいてください。

外国人が日本で会社設立をする場合、支出のリズムに慣れるまで時間がかかることがあります。本国とは税や社会保険の仕組みが違うためです。最初の1年は、いつ何が来るのかをカレンダーに書き込んでおくと安心です。

このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

場所にかかるお金

事務所の費用は、避けられない固定費になります
事務所の費用は、避けられない固定費になります

入管庁の資料では、改正後の規模等に応じた経営活動を行うための事業所を確保する必要があることから、自宅を事業所と兼ねることは原則として認められないとされています。外国人が日本で会社設立をして在留資格を目指す場合、事務所を借りることになります。

事務所にかかるお金は、初期費用と毎月の費用に分かれます。初期費用は敷金、礼金、仲介手数料、内装や什器の購入。毎月は賃料、共益費、光熱費、通信費です。

  • 初期費用敷金は賃料の数か月分になることがあります。地域と物件によって差が大きい部分です。
  • 賃料毎月かかります。契約期間は1年以上、できれば2年以上が望ましいとされることがあります。
  • 共益費と光熱費賃料とは別にかかります。見積もりに入れ忘れやすい部分です。
  • 更新料契約の更新時にかかることがあります。年数を見て資金計画に入れておきます。

会社設立の前に物件を決めるときは、在留資格の条件に合うかを確認してください。契約してから条件に合わないと分かると、借り直しになり、初期費用が二重にかかります。

物件を探すときは、事業用として貸してもらえるかを最初に確認してください。居住用の物件を事業に使うことを認めない貸主もいます。日本で会社設立をする外国人の場合、法人契約の実績がないことを理由に断られることもあります。時間に余裕を持って探してください。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「「経営・管理」の許可基準の改正等について(令和7年10月16日施行)」(https://www.moj.go.jp/isa/content/001448070.pdf)

人にかかるお金

人件費は給与だけではありません
人件費は給与だけではありません

2025年10月16日施行の改正で、在留資格「経営・管理」には1人以上の常勤職員の雇用が必要になりました。日本で会社設立をした外国人にとって、人件費は避けられない固定費になります。

人件費は給与だけではありません。健康保険料と厚生年金保険料の会社負担分、雇用保険料と労災保険料の会社負担分が加わります。給与の額に対して一定の割合で計算されます。

外国人が日本で会社設立をして常勤職員を雇う場合、その職員が在留資格の要件を満たす人であることも確認が必要です。日本人、特別永住者、および永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者に限られるとされています。

採用にも費用がかかります。求人媒体への掲載費用、紹介会社への手数料など。会社設立の直後から常勤職員が必要になるため、この費用も見込んでおいてください。

給与の額は、事業計画とのつり合いで決めることになります。低すぎると人が定着せず、高すぎると資金が続きません。外国人が日本で会社設立をして常勤職員を雇う場合、その地域の相場を調べたうえで決めてください。

また、代表者自身の役員報酬も決める必要があります。役員報酬は原則として事業年度の途中で自由に変えられません。会社設立の直後に決めることになるため、資金の見通しを立ててから金額を決めてください。

このセクションの根拠:日本年金機構「適用事業所と被保険者」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150518.html)

SECTION 04制度にかかるお金

利益が出ていなくてもかかる負担があります
利益が出ていなくてもかかる負担があります

会社を持っているだけでかかる負担があります。代表的なのが法人住民税の均等割です。所得がなくても納めることになります。金額は資本金等の額と従業者数によって段階が分かれ、自治体ごとに定められています。

社会保険料も、給与を払う限り毎月発生します。日本で会社設立をした外国人が、まだ売上が立っていない時期でも、この支払いは続きます。資本金は、この期間を支えるための資金でもあります。

  • 法人住民税の均等割:所得がなくても納めます。資本金等の額で段階が分かれます。
  • 法人税・地方法人税:所得に応じてかかります。赤字の場合は発生しません。
  • 消費税:課税事業者になった場合に納めます。資本金の額が判定に関わることがあります。
  • 社会保険料:給与を払う限り毎月かかります。会社負担分と本人負担分があります。
  • 労働保険料:雇用保険と労災保険。年に一度まとめて申告と納付をします。

在留期間の更新では、これらの公租公課の履行状況が確認されます。外国人が日本で会社設立をして事業を続けるうえで、納付を滞らせないことが大切です。

消費税については、資本金の額や課税売上高によって納税義務の判定が変わります。日本で会社設立をする外国人にとって、この仕組みは分かりにくい部分です。会社設立の前に税理士へ確認しておくと、あとで慌てずに済みます。

労働保険には年度更新という手続きがあります。1年分の保険料を概算で申告して納め、翌年に確定させる仕組みです。毎年決まった時期に来るため、資金の準備をしておいてください。会社設立の1年目は、この手続きが初めてになります。

このセクションの根拠:国税庁「法人税」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/hojin.htm)

専門家にかかるお金

専門家への費用も、維持費の一部になります
専門家への費用も、維持費の一部になります

会社設立の後、継続して発生する専門家への費用があります。税務では税理士、労務では社会保険労務士、在留資格では行政書士です。

税理士への顧問料は毎月かかることが多く、決算と申告のときには別に費用が発生します。会社設立の直後に契約して、記帳の方法から相談する方が多くあります。

  • 税理士毎月の顧問料と、決算・申告の費用。記帳を依頼するかどうかでも変わります。
  • 社会保険労務士社会保険や労働保険の手続き。従業員が増えると依頼する場面が増えます。
  • 行政書士在留資格の更新のたびに費用が発生します。数年に一度の支出です。
  • 中小企業診断士など在留資格の申請で事業計画書の確認を依頼する場合の費用。

日本で会社設立をした外国人の場合、日本語での書類作成に不安があると、依頼する範囲が広くなりがちです。その分の費用も、1年目の計画に入れておいてください。

顧問料は事務所によって幅があります。記帳を自分でやるか依頼するかで大きく変わるため、見積もりの際に確認してください。外国人が日本で会社設立をする場合、外国語での説明ができる事務所は限られるため、その点も比較の材料になります。

このセクションの根拠:国税庁「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」(https://www.e-tax.nta.go.jp/)

1年目の資金計画をつくる

12か月分を積み上げると、必要な資本金が見えてきます
12か月分を積み上げると、必要な資本金が見えてきます

ここまでの項目を12か月分積み上げると、1年目に必要な資金が出ます。売上が立つまでの期間を見込んで、その間を支えられるかを確認してください。

1年目の資金計画の枠組み。金額は自分の場合の数字を入れてください
1年目の資金計画の枠組み。金額は自分の場合の数字を入れてください

この積み上げが、資本金の額を決める根拠になります。事業計画書の中でも、資本金をどう使うのかを示すことになります。外国人が日本で会社設立をするとき、この試算があると説明がしやすくなります。

資金計画は一度作って終わりではありません。実際に事業が始まると、想定と違う支出が出てきます。会社設立から数か月経ったところで、一度見直してみてください。次の在留期間の更新の資料をつくるときにも役立ちます。

もうひとつ、資金計画では入金の時期にも目を向けてください。売上が計上されても、実際に入金されるのは翌月末や翌々月末になることがあります。日本で会社設立をした外国人が最初につまずくのは、この入金までの間の資金です。売上があっても手元にお金がない、という状況が起こります。

このセクションの根拠:日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(創業計画書の記入例)」(https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html)

07支出を抑えるための工夫

固定費を下げる工夫はいくつかあります
固定費を下げる工夫はいくつかあります

維持費を抑える工夫もあります。ただし、在留資格の要件に関わる部分は削れません。その前提で考えられる範囲を挙げます。

  • 事務所:立地と広さを事業の実態に合わせる。在留資格の条件は満たしたうえで、過剰にしない。
  • 雇用:常勤職員1人以上という要件を満たしつつ、事業の規模に合った人数にする。
  • 会計:記帳を自分でやり、税理士には確認と申告を依頼する。
  • 通信・システム:必要な機能に絞る。使わないサービスを整理する。
  • 印刷・郵送:電子化できるものは電子で進める。

日本で会社設立をした外国人が、会計を自分でやる場合、日本語の会計用語に慣れる必要があります。時間の余裕があるかどうかで判断してください。

このセクションの根拠:中小企業基盤整備機構「J-Net21 起業支援」(https://j-net21.smrj.go.jp/startup/index.html)

よくある質問

よくある質問。判断の材料としてお読みください
よくある質問。判断の材料としてお読みください

相談の場でよく出る質問を、この記事の内容に沿ってまとめました。事案によって結論は変わりますので、判断の材料としてお読みください。

社長ひとりの会社でも社会保険に入る必要がありますか。

法人の事業所は、常時従業員を使用する場合、健康保険と厚生年金保険の適用事業所になります。この従業員には、代表者ひとりだけの場合も含まれるとされています。

赤字でも税金はかかりますか。

法人住民税の均等割は、所得がなくてもかかります。金額は資本金等の額と従業者数によって段階が分かれ、自治体ごとに定められています。

事務所は必ず借りる必要がありますか。

在留資格「経営・管理」を目指す場合、改正後の規模等に応じた経営活動を行うための事業所が必要とされ、自宅との兼用は原則として認められないとされています。事業所の条件は事前に確認してください。

この項目の根拠:日本年金機構「適用事業所と被保険者」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150518.html)

まとめ:設立費用より、維持費で判断する

事業を続けられるかは、維持費の見通しで決まります
事業を続けられるかは、維持費の見通しで決まります

外国人が日本で会社設立をするとき、設立の費用に目が向きがちです。しかし事業を続けられるかどうかを決めるのは、その後の維持費です。

  1. 事務所の初期費用と毎月の賃料を積む
  2. 常勤職員1人分の給与と、会社が負担する社会保険料を積む
  3. 法人住民税の均等割など、所得がなくてもかかるものを入れる
  4. 税理士などの専門家への費用を入れる
  5. 売上が立つまでの期間を見込んで、12か月分の合計を出す

この合計が、資本金の額を考えるときの土台になります。金額は地域や事業の内容によって変わります。会社設立の資金計画については税理士へ、在留資格の要件については行政書士へご相談ください。

最後にひとつ付け加えると、維持費の見通しは在留資格の審査でも意味を持ちます。事業計画書の中で、資本金がどれくらいの期間を支えられるのかを示せると、計画の実現可能性が伝わりやすくなります。外国人が日本で会社設立をするときの説明材料として、この試算は使えます。

このセクションの根拠:日本年金機構「1-1 事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」(https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kounen/tekiyo/jigyosho/20141205.html)

読んでくださった方へ

会社設立の手続きが終わると、ひと安心する方が多くあります。ただ、そこからが本番です。毎月の支払いは、売上があってもなくても来ます。

日本で会社設立をした外国人にとって、事務所と常勤職員は在留資格の要件でもあります。減らすことが難しい固定費です。だからこそ、事前の見積もりが大切になります。

12か月分を紙に書き出してみると、必要な資金がはっきりします。その作業を、会社設立の前に一度やってみてください。

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