本文へ移動
会社設立 外国人 税金

会社設立後の税務の届出|外国人が期限内に出す書類と、その意味

会社設立後の税務の届出|外国人が期限内に出す書類と、その意味

この記事の対象

日本で会社設立を終えた外国人の方が、税務署への届出を進める場面を想定した記事です。手続きを手伝う日本側の担当者にも読んでいただけます。

会社設立の登記が終わると、期限のある届出がまとめて来ます。この部分の扱いは、日本人が会社設立をする場合と同じです。

様式や期限は改定されることがあります。この記事は全体像をつかむためのものです。実際の提出書類は国税庁のページと、所轄の税務署でご確認ください。

届出の全体像

会社設立後の税務の届出
会社設立後の税務の届出

会社設立の登記が完了すると、税務署への届出が必要になります。必ず出すものと、必要に応じて出すものに分かれます。

国税庁のページでは、新設法人の届出書類として、法人設立届出書、源泉所得税関係の届出書、消費税関係の届出書が挙げられています。加えて、必要に応じて提出する書類として青色申告の承認申請書などが示されています。

期限も定められています。書類によって起算点が違うため、カレンダーに書き込んで管理してください。日本で会社設立をした外国人が、この期限を見落とすことがあります。

提出先は、本店の所在地を管轄する税務署です。あわせて、都道府県と市区町村にも地方税に関する届出をします。

提出には、登記事項証明書や定款の写しが必要になります。登記が完了してからでないと動けません。

外国人が日本で会社設立をするとき、税務の届出は日本人と同じ扱いになります。在留資格による違いはありません。ただ、日本語の書類を読み書きすることになるため、負担は大きくなります。

提出した書類の控えは必ず保管してください。金融機関から提出を求められることがありますし、在留期間の更新でも納税の状況を示す資料が必要になります。日本で会社設立をした外国人にとって、これらは後で使う書類です。

届出をまとめて出す場合、必要な添付書類も一度に用意することになります。登記事項証明書、定款の写し、株主名簿など。会社設立の後、何が必要かを確認してから窓口へ行ってください。

このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

SECTION 02法人設立届出書

法人設立届出書の期限
法人設立届出書の期限

内国法人である普通法人または協同組合等を設立した場合、法人設立届出書を提出します。国税庁のページでは、設立の日以後2か月以内に提出することとされています。

設立の日とは、設立登記の日です。登記を申請した日が設立日になるため、そこから2か月を数えます。

定款、寄附行為、規則または規約等の写しを添付して、e-Taxまたは書面により納税地の所轄税務署長に提出することとされています。

日本で会社設立をした外国人にとって、この届出が税務の最初の手続きになります。会社の基本的な情報を税務署に伝えるものです。

記載する内容は、商号、本店の所在地、法人番号、代表者の氏名と住所、事業年度、資本金の額、事業の目的など。登記事項証明書を見ながら書き写す作業になります。

届出の様式は国税庁のページからダウンロードできます。記載例も公開されています。日本で会社設立をする外国人が自分で作成する場合、記載例を見ながら進めてください。

このセクションの根拠:国税庁「C1-4 内国普通法人等の設立の届出」(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_2.htm)

青色申告の承認申請書

青色申告の承認申請書の期限
青色申告の承認申請書の期限

青色申告の承認を受けると、税務上の取り扱いで有利になる点があります。設立第1期目から承認を受けるには、期限内に申請する必要があります。

国税庁のページでは、設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までとされています。

つまり、設立から3か月というのが目安になります。事業年度の終わりがそれより早ければ、そちらが基準になります。

期限を過ぎると、その事業年度は青色申告ができません。日本で会社設立をした外国人が、この期限を見落とすことがあります。会社設立の直後にカレンダーへ入れておいてください。

会社設立の直後に税理士へ相談する方が多いのは、この期限があるためです。相談の時期を決めるときの目安にしてください。

青色申告には、欠損金の繰越しなど、税務上の取り扱いで有利になる点があります。設立の初期は赤字になることも多いため、日本で会社設立をする外国人にとって意味のある制度です。

申請書の様式は国税庁のページにあります。記載する内容は多くありませんが、事業年度や納税地を正確に書く必要があります。日本で会社設立をした外国人は、登記事項証明書を見ながら記入してください。

このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

給与支払事務所等の開設届出書

給与支払事務所等の開設届出書
給与支払事務所等の開設届出書

給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設した場合、給与支払事務所等の開設届出書を提出します。国税庁のページでは、開設の日から1か月以内に提出することとされています。

代表者に役員報酬を出す場合も、給与の支払いにあたります。日本で会社設立をした外国人が自分に報酬を出すなら、この届出が必要になります。

提出先は、給与支払事務所等の所在地の所轄税務署長です。会社設立の後、常勤職員を雇う場合も同じです。

この届出をすると、源泉所得税を納める義務が生じます。給与から所得税を控除して、原則として翌月10日までに納付します。

従業員が少ない場合、納期の特例という制度を使えることがあります。年に2回にまとめて納める仕組みです。会社設立の後、税理士に確認してみてください。

源泉徴収した所得税を納めなかったり、遅れたりすると、加算税や延滞税がかかることがあります。日本で会社設立をした外国人が、この処理を後回しにすると負担が増えます。毎月の作業として組み込んでください。

納期の特例を使う場合は、その申請書も提出します。給与の支払いを受ける人が常時10人未満である場合に使える制度とされています。会社設立の直後は該当することが多いため、確認してみてください。

このセクションの根拠:国税庁「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm)

05消費税に関する届出

消費税に関する届出
消費税に関する届出

消費税については、新規開業や法人の新規設立のときの取り扱いが国税庁のページで説明されています。

新しく設立した法人の納税義務の判定には、資本金の額が関わる仕組みがあります。日本で会社設立をする外国人が資本金の額を決めるとき、この点も考えることになります。

在留資格「経営・管理」の基準に合わせて資本金3,000万円にする場合、消費税の取り扱いがどうなるかを確認しておいてください。

また、課税事業者を選ぶかどうかという判断もあります。設備投資が大きい場合など、状況によって有利不利が変わります。

消費税の仕組みは複雑です。会社設立の前に、税理士へ相談することをおすすめします。届出の期限もあるため、早めに確認してください。

消費税の届出には、提出の期限が定められているものがあります。会社設立の直後に判断することになるため、税理士に相談するのがいちばん確実です。外国人が日本で会社設立をするとき、この部分は専門家に任せる方が多くあります。

インボイス制度に関する登録も、事業によっては検討することになります。取引先が課税事業者である場合、影響が出ることがあります。会社設立の前に、税理士に確認しておいてください。

このセクションの根拠:国税庁「No.6531 新規開業や法人の新規設立のとき」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6531.htm)

地方税の届出

地方税に関する届出
地方税に関する届出

税務署への届出とは別に、都道府県と市区町村にも法人設立に関する届出をします。地方税に関するものです。

様式と期限は自治体によって異なります。本店の所在地の自治体のページで確認してください。

法人住民税には、所得がなくてもかかる均等割という部分があります。資本金等の額と従業者数によって段階が分かれ、自治体ごとに税率が定められています。

日本で会社設立をした外国人が、事業を動かしていなくても、この負担は発生します。会社を持つだけでかかる費用として、資金計画に入れておいてください。

支店を出すと、その場所の自治体にも均等割がかかります。拠点を増やすときは、この点も考えてください。

自治体によっては、外国語での案内を用意しているところもあります。日本で会社設立をした外国人が届出をするとき、窓口で相談してみてください。

届出を出す先が複数あるため、一覧を作って管理してください。税務署、都道府県、市区町村。それぞれに何を出したか、いつ出したかを記録しておくと、後で確認できます。

このセクションの根拠:地方税共同機構「eLTAX 地方税ポータルシステム」(https://www.eltax.lta.go.jp/)

届出のあとに続くこと

届出の後に続く税務の作業
届出の後に続く税務の作業

届出を済ませたら、日々の記帳が始まります。売上と費用を記録し、領収書を保管します。

事業年度が終わると、決算を組み、法人税の申告をします。原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に申告と納税をすることになります。

日本で会社設立をした外国人にとって、この作業は初めてのものです。会計ソフトの日本語表示に慣れるまで時間がかかることもあります。

税理士に依頼するかどうかも決めてください。記帳から依頼するのか、決算と申告だけ依頼するのか。費用が変わります。

在留期間の更新では、法人税等の納付義務を適切に履行しているかが確認されるとされています。会社設立の後、きちんと処理しておいてください。

決算の時期は事業年度によって決まります。会社設立のときに決めた事業年度から、いつ申告が来るかが決まります。外国人が日本で会社設立をするとき、この時期も把握しておいてください。

帳簿や書類には、法令で定められた保存の期間があります。日本で会社設立をした外国人は、この点も知っておいてください。捨ててしまうと、後で困ることがあります。

このセクションの根拠:国税庁「法人税」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/hojin.htm)

SECTION 08よくある質問

よくある質問。判断の材料としてお読みください
よくある質問。判断の材料としてお読みください

相談の場でよく出る質問を、この記事の内容に沿ってまとめました。事案によって結論は変わりますので、判断の材料としてお読みください。

法人設立届出書の期限はいつですか。

国税庁のページでは、設立の日以後2か月以内に、定款などの写しを添付してe-Taxまたは書面により納税地の所轄税務署長に提出することとされています。

青色申告の申請を忘れるとどうなりますか。

設立第1期目から青色申告の承認を受けるには期限内の申請が必要です。期限を過ぎると、その事業年度は青色申告ができません。

社長ひとりでも給与支払事務所の届出は必要ですか。

代表者に役員報酬を出す場合も給与の支払いにあたります。給与支払事務所等の開設届出書は、開設の日から1か月以内に提出することとされています。

この項目の根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

まとめ:期限を先にカレンダーへ

期限の管理が要点です
期限の管理が要点です

外国人が日本で会社設立をしたあとの税務の届出について見てきました。期限のあるものが多く、起算点も書類ごとに違います。

  1. 法人設立届出書:設立の日以後2か月以内
  2. 青色申告の承認申請書:設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了の日のうち早い日の前日まで
  3. 給与支払事務所等の開設届出書:開設の日から1か月以内
  4. 消費税に関する届出:状況に応じて。資本金の額が判定に関わる
  5. 地方税の届出:都道府県と市区町村へ。様式と期限は自治体による

様式や期限は改定されることがあります。実際の提出書類は国税庁のページと所轄の税務署でご確認ください。税務の判断については税理士へご相談ください。

最後にひとつ。税務の届出は、会社設立の中でも見落とされやすい部分です。登記が終わると気が緩みますが、ここからが実際の運営の始まりです。期限を確認して、順番に片づけてください。

税務署では、事前に予約すれば相談に応じてもらえることもあります。外国人が日本で会社設立をして初めて届出をするとき、この仕組みを使ってみてください。

このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

読んでくださった方へ

会社設立の登記が終わって一区切りついた気持ちのところに、この届出が来ます。期限が短いものもあり、慌ただしい時期です。

日本で会社設立をした外国人にとって、日本の税の仕組みは覚えることが多いと思います。ただ、最初の届出さえ済ませてしまえば、あとは年ごとの作業になります。

分からない部分は、税務署の窓口でも相談できます。制度の内容については、丁寧に教えてもらえます。

この記事は役に立ちましたか?

押した数は同じ端末では二重に数えません。内容の誤りや制度変更に気づいた方は、お問い合わせページからご連絡ください。