外国人の会社設立と銀行口座|資本金の払込口座から法人の口座開設まで、順番と準備

こんな方に向けたページです
日本で会社設立を考えている外国人の方で、「銀行口座が作れないと会社がつくれない」と聞いて不安になっている方。あるいは、すでに登記は終えたのに法人口座の口座開設で足止めされている方。そして、そうした外国人の経営者を手伝っている行政書士・税理士事務所の方や、取引先の担当者を想定しています。
外国人の会社設立で銀行口座が問題になるのは、時期の違う2つの場面です。ひとつは登記の前、資本金を払い込む口座。もうひとつは登記のあと、会社名義の法人口座。この2つを混ぜて考えると、何をいつ準備すればよいのかが見えなくなります。
このページでは、2つの場面を分けたうえで、個人口座、非居住者の扱い、払込みに使える銀行、法人口座の審査の順に地図を描きます。特定の銀行の審査基準や「開設しやすい銀行」は公表されていないため、ここでは断定せず、公的機関が示している範囲だけをお伝えします(2026年10月時点)。
SECTION 01会社設立で銀行口座が要る場面は2回ある:払込口座と法人口座

株式会社でも合同会社でも、会社設立の登記には資本金が払い込まれたことを示す書面を付けます。この時点では会社がまだ存在しないため、払い込む先は発起人などの個人の口座です。そして登記が終わったあと、事業のお金を動かすために会社名義の法人口座を開きます。

| 資本金の払込口座 | 法人口座 | |
|---|---|---|
| 時期 | 登記の前 | 登記のあと |
| 名義 | 発起人など個人(条件により設立時取締役や第三者) | 会社 |
| 決めるもの | 法務省が示す払込取扱機関と名義人の扱い | 各金融機関の審査 |
| 外国人がつまずく点 | 日本の銀行に個人口座がない | 事業の実態を説明する材料が少ない |
日本に住んで在留カードを持ち、すでに個人口座がある外国人なら、1つ目の場面はほとんど問題になりません。難しくなるのは、まだ日本に住んでいない方、来日して間もない方です。どちらの立場かで、このあと読むべき箇所が変わります。
法人口座の開設までの流れ:会社の銀行口座を開くまでの流れ|外国人の会社設立後、法人口座の申込みから開設まで
このセクションの根拠:会社設立JAPAN「会社設立時の資本金払込口座について」(https://samurai-law.com/kaisha/sub01_06/)
外国人が銀行口座を開くには何が必要か:個人口座の口座開設

会社設立の前に個人口座を持っておくと、資本金の払込みが日本人と同じ形で進められます。金融庁が外国人材の受入れ企業向けに作った資料では、金融機関が口座開設のときに確認する事項の例として、氏名、住所、生年月日、日本国籍がない場合の在留資格と在留期間、国籍、職業、取引の目的などが挙げられています。
- 本人確認書類氏名・日本の住所・生年月日が載った写真付きのもの。在留カードの提示を必須にしている金融機関もあります。
- 印鑑かサイン申込書への押印を求められることがあります。サインで代えられる金融機関もあります。
- 勤務や活動の実態社員証など。会社設立の準備中であれば、何をしに日本に来ているのかを説明できるようにしておきます。
必要な書類は金融機関によって違います。どこでも同じだと思って出向くと、在留カードの在留期間や住所の書き方で手続きが進まないことがあるので、窓口に行く前に申込先のウェブサイトか電話で確かめてください。
個人口座の口座開設:外国人が銀行口座を開くには何が必要か|会社設立の前に個人口座を口座開設する準備と順番
このセクションの根拠:金融庁「外国人の受入れ・共生に関する金融関連施策について」(https://www.fsa.go.jp/user/livinginjapan.html)
非居住者の口座開設と「入国後6か月」:外国人の会社設立で効いてくる区分

「非居住者口座開設 外国人」と調べる方がつまずくのが、外国為替及び外国貿易法(外為法)上の居住者・非居住者という区分です。来日して間もない外国人は、日本で暮らし始めていても非居住者として扱われ、口座を開けても取引に制限がある非居住者向けの口座になることがあります。
金融庁監督局が金融機関向けにまとめた「外国人顧客対応にかかる留意事項」(2026年7月改訂)では、非居住者預金を扱う金融機関に対し、口座開設のときに、日本の事務所への勤務または入国後6か月の経過によって居住者口座への切替えができることを説明しているか、という点が挙げられています。同じ資料には、日本語で会話できないことを理由に一律に受付を断っていないか、住所のローマ字表記を認めているか、といった項目も並んでいます。
- 入国直後非居住者として扱われることがあります。口座の種類と制限を窓口で確かめます。
- 日本の事務所に勤務、または入国後6か月が過ぎた居住者口座への切替えができる場合があります。自動では切り替わらないことがあるため、手続きを確認します。
- 外国人起業活動促進事業などを使う起業家6か月を待たずに居住者口座などを開けるよう、金融庁が2023年2月に金融機関へ要請しています。
最後の項目は、いわゆるスタートアップビザで来日した起業家向けの扱いです。金融庁の資料では、起業準備活動計画確認証明書などを確認したうえで、居住者口座または居住者と同等の口座を開けるように金融機関へ要請したとされています。対象になるかどうか、どの書類を見せればよいかは、制度を実施している自治体と金融機関の両方に確かめてください。
非居住者と口座開設:非居住者の口座開設と外国人の会社設立|入国後6か月の区分が銀行口座・出資・登記に与える影響
このセクションの根拠:金融庁監督局「外国人顧客対応にかかる留意事項(令和8年7月)」(https://www.fsa.go.jp/user/01.ryuuijikou.pdf)
04外国銀行の日本支店や海外支店は、資本金の払込口座に使えるか

「外国銀行 日本支店 口座開設」という関連キーワードの裏には、本国の銀行の日本支店なら口座が作りやすいのでは、資本金の払込みにも使えるのでは、という期待があります。払込みに使える金融機関(払込取扱機関)については、法務省の案内に次のような整理があります。

つまり、本国にある日本の銀行の支店、あるいは日本にある本国の銀行の支店に口座があれば、払込先として使える可能性があります。外貨の口座に払い込んだ場合は、払込日の為替相場と円に換算した額を示す必要があるとされています。
名義人についても扱いが示されています。発起人のほか、委任状を付ければ設立時取締役の口座も使えます。発起人と設立時取締役の全員が日本に住所を有しない場合には、委任状を付けたうえで第三者の口座を使うこともできます。どの組み合わせにするかで添付書類が変わるので、払い込む前に管轄の法務局に確かめてください。
外国銀行の口座と払込み:外国銀行の日本支店で口座開設はできるか|外国人の会社設立で資本金の払込みに使える銀行口座の範囲
このセクションの根拠:法務省「外国人・海外居住者の方の商業・法人登記の手続について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00104.html)
法人口座の口座開設:経営管理ビザの会社で見られる書類と説明

登記が終わると、法人口座の申込みです。JETROは、全国銀行協会の案内をもとに、法人口座開設の一般的な書類として、登記事項証明書、会社の印鑑証明書、来店する取引担当者の本人確認書類、銀行印を挙げています。あわせて、金融機関ごとに審査があり、総合的な判断で開設を断ることがあり、その詳細は一般に開示されないとも書かれています。

「経営 管理 ビザ 法人 口座」と調べる方の多くは、在留資格と口座のどちらを先に進めるかで悩んでいます。在留資格の申請には事務所の契約や資本金の資料が要り、法人口座の審査でも同じく事務所や資金の出どころが見られます。両方で使う材料は共通しているので、会社設立の時点で、事務所の契約書と写真、資本金の送金記録、事業計画書を一つのフォルダにまとめておくと、どちらの手続きにもすぐ出せます。
法人口座ができるまでの間、資本金は発起人の個人口座に置いたままになります。その口座で個人の買い物をすると、会社のお金と個人のお金の区別がつかなくなり、あとで経理を整理するときに苦労します。
審査に向けて用意しておく資料:法人の銀行口座の審査に備える|外国人の会社設立後に集める資料と説明の組み立て
このセクションの根拠:JETRO「日本での拠点設立方法 参考情報(法人口座開設)」(https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section1/reference.html)
外国人が口座開設しやすい銀行はどこか、という問いへの答え方

「外国人が口座開設しやすい銀行はどこですか」「みずほ銀行 外国人 口座開設」。こうした検索の答えとして、特定の銀行の名前を挙げることはここではしません。審査の基準は各金融機関が自ら定めていて公表されておらず、同じ銀行でも事業の内容や支店によって結果が変わりうるからです。
確実に言えるのは、どの金融機関にも共通する土台があることです。犯罪収益移転防止法により、金融機関は口座開設のときに取引時確認を行う義務を負い、本人特定事項のほか、取引を行う目的、職業や事業の内容、法人であれば実質的支配者などを確認します。外国人だから別の法律が当てはまるのではなく、確認すべき事項を確認できるかどうかが問われます。
| 観点 | 確かめること |
|---|---|
| 海外送金 | 本国との送金が多いなら、扱える通貨、手数料、必要な書類 |
| 窓口と言語 | 外国語の説明資料や通訳の用意があるか。オンラインで完結するか |
| 地域 | 事務所のある地域で、直接事業を説明できる支店があるか |
| 取引先 | 売上の入金元や支払先がどの銀行を使っているか |
なお、金融庁は金融機関に対し、外国人顧客から必要な情報の提供を受けているのに合理的な理由なく口座開設を断っていないか、といった点を留意事項として示しています。断られた理由は開示されないことが多いものの、資料を整えて別の金融機関に申し込む、事業の実績ができてから申し込み直す、という道は残っています。
銀行の選び方:外国人が口座開設しやすい銀行はどこか|会社設立の前後で銀行口座を選ぶ考え方と、法人口座開設のサポート
このセクションの根拠:警察庁「犯罪収益移転防止法の解説(JAFIC)」(https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/law_com.htm)
SECTION 07海外在住のまま会社設立したとき、外国法人の口座開設はどう進めるか

代表取締役の全員が海外に住んでいても設立の登記はできますが、法人口座は別の判断になります。代表者が日本にいない会社では、誰が日本で事業を動かすのか、事業の拠点が本当にあるのかを説明する材料が少なくなるためです。「非居住者 会社設立」「外国 法人口座開設 日本」と調べる方は、ここで止まることが多いようです。

どの道を選ぶかは、日本で事業をいつ始めたいか、日本に知り合いがいるか、本国に親会社があるかで変わります。急いで名義だけの役員を立てると、在留資格の審査や役員の変更登記で、あとから整理する手間が増えます。会社設立の前に、口座をどう開くかから逆算して順番を決めてください。
海外在住のままで法人口座は開けるか:海外在住のまま会社の銀行口座は開けるか|外国人の会社設立で残る口座開設の課題
このセクションの根拠:さくら国際(司法書士法人・行政書士法人)「非居住外国人のみで会社を設立し、会社名義の銀行口座は開設できますか」(https://www.sakura-kokusai.com/case/866/)
銀行口座と口座開設のよくある質問

外国人の会社設立の相談で、銀行口座についてよく聞かれることをまとめました。金融機関ごとに取り扱いが違うため、最終的には申込先で確かめてください。
短期滞在で来日しているあいだに個人口座を開けますか。
日本の金融機関では、短期滞在の外国人の口座開設は一般に難しいとされています。在留資格を得て住民登録をしてから申し込むか、資本金の払込みには内国銀行の海外支店など別の方法を検討してください。
本国の銀行口座に資本金を入れて、登記に使えますか。
法務省の案内では、外国銀行の海外の本支店は払込取扱機関に含まれないとされています。本国にある日本の銀行の支店(現地法人を除く)や、外国銀行の日本国内の支店であれば含まれます。
法人口座の申込みで断られた理由を教えてもらえますか。
審査の詳細は一般に開示されないとされています。事務所の写真、取引の見込み、事業計画書など、事業の実態を示す材料を整えてから、別の金融機関に申し込む方法があります。
日本語が話せなくても口座開設はできますか。
金融庁は金融機関に対し、日本語で会話できないことを理由に一律に受付を断るような対応をしていないかを留意事項として示しています。それでも手続きは日本語で進むことが多いため、通訳や日本語のできる同席者がいると安心です。
この項目の根拠:金融庁「外国人の受入れ・共生に関する金融関連施策について」(https://www.fsa.go.jp/user/livinginjapan.html)
まとめ:口座は会社設立の最初と最後に来る

外国人が日本で会社設立をするときの銀行口座を、払込口座と法人口座に分けて見てきました。最後に、順番どおりに要点を並べておきます。
- 日本に住んでいるなら、会社設立の前に個人口座を用意しておく
- 来日して間もない場合は、非居住者の扱いと居住者口座への切替えを確かめる
- 払込みには内国銀行の海外支店や外国銀行の日本支店も使える。名義人の扱いは法務局に確認する
- 法人口座では、事業の実態、実質的支配者、口座の目的を説明できるようにする
- 「開設しやすい銀行」は公表されていない。事業との相性で候補を複数持つ
- 海外在住なら、口座の開き方から逆算して会社設立の順番を決める
金融機関の取り扱いは変わることがあり、必要な書類も申込先ごとに違います。実際に申し込む前に、利用を考えている金融機関へ確認してください。払込みと登記については司法書士、在留資格との順番については行政書士に相談すると、全体の段取りが立てやすくなります。
このセクションの根拠:JETRO「対日投資・ビジネスサポート」(https://www.jetro.go.jp/invest/)
口座で足止めされている方へ
銀行口座の問題は、外国人の会社設立の中でもっとも先が読みにくい部分です。けれど、払込口座は法務省の扱いという決まった枠の中で解決でき、法人口座は事業の姿を見せる準備で前に進められます。何が決まりで、何が審査なのかを分けるだけでも、次の一手が見えてきます。
日本で会社設立をする外国人の方は、口座の話を登記のあとに回さず、定款を書く前から考えておいてください。誰の口座に払い込むか、法人口座をどこに申し込むかが決まっていると、日程の組み方が変わります。
手伝う側の方は、本人がいつ日本に入国したか、在留カードの在留期間がいつまでかを最初に確認してみてください。そこから、居住者か非居住者か、どの道が使えるかがほぼ決まります。
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