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合同会社の外国人雇用|会社設立のあとに要る在留カードの確認、任せる仕事、ハローワークへの届出

合同会社の外国人雇用|会社設立のあとに要る在留カードの確認、任せる仕事、ハローワークへの届出

こんな方に向けた記事です

外国人が日本で会社設立をした合同会社で、はじめて人を雇おうとしている代表社員の方。日本人が経営する合同会社で、外国人の応募者を採用しようとしている方。そして、その手続きを任された事務担当者や社会保険労務士、行政書士の方を想定しています。

関連キーワードの「合同会社 外国人雇用」には、雇う側が外国人の場合と、雇われる側が外国人の場合の両方が混ざっています。どちらの場合も、会社設立のときに合同会社を選んだから特別な手続きが増えるわけではありません。ただ、合同会社では「社員」という言葉が出資者を指すため、雇用の話をするときに取り違えが起きやすくなります。

記載は2026年10月時点の出入国在留管理庁、厚生労働省、日本年金機構の案内にもとづきます。2026年6月から在留カードの様式が変わったため、その点も確かめた範囲で書いています。

合同会社の外国人雇用の前提:雇う人は「社員」ではなく従業員

合同会社の社員と従業員の違い
合同会社の社員と従業員の違い

合同会社の社員は出資者で、会社と雇用契約を結んで働く人は従業員です。会計ソフト事業者の解説でも、出資していないスタッフは法律上の社員ではなく従業員であり、代表社員や業務執行社員は労働者として扱われない、と整理されています。会社設立のあと、求人票や雇用契約書で「社員として採用」と書くと、出資者になるのかと受け取られかねないので、合同会社では「従業員」「職員」と書くほうが誤解がありません。

合同会社の社員と従業員の違い(会社法と会計ソフト事業者の解説をもとに作成)
合同会社の社員と従業員の違い(会社法と会計ソフト事業者の解説をもとに作成)

この区別は在留資格にも関わります。外国人の会社設立で、知人の外国人に出資してもらい業務執行社員にもなってもらうなら、その人は従業員ではなく経営する側です。日本で経営や管理の仕事をするなら、雇用のための就労ビザではなく、経営・管理などの在留資格で考えることになります。

反対に、外国人が会社設立をして代表社員を務める合同会社が人を雇うとき、雇い主としての義務は日本人の経営者と同じです。在留カードを確かめ、仕事が在留資格の範囲に入るかを判断し、ハローワークへ届け出ます。以下はこの順に進めます。

このセクションの根拠:マネーフォワード クラウド会社設立「合同会社の社員とは?従業員との違い・役割・報酬の仕組みを解説」(https://biz.moneyforward.com/establish/basic/85795/)

採用の前に在留カードで確かめること:在留資格、満了日、就労制限の有無

外国人を雇う前の在留カードの確認
外国人を雇う前の在留カードの確認

出入国在留管理庁は、在留カードには氏名、生年月日、国籍・地域、住居地、在留資格、就労の可否など、在留に関する重要な情報が記載されていると説明しています。会社設立後に外国人を雇う合同会社がまず見るのは、在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無、資格外活動の許可を受けているかどうかの四つです。

面接のときに在留カードで確かめること(出入国在留管理庁の案内をもとに作成。2026年10月時点)
面接のときに在留カードで確かめること(出入国在留管理庁の案内をもとに作成。2026年10月時点)

2026年6月14日から、在留カードは新しい様式になりました。マイナンバーカードの機能を付けた特定在留カードも導入されています。新様式のカードでは、在留期間の満了日は券面に記載されますが、在留期間そのもの、許可の種類、許可年月日、交付年月日は券面に記載されません。古い様式のカードを見慣れている方は、記載の位置と項目が違う点に注意してください。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「在留カードとは?(新様式の在留カードと在留期間等の確認方法)」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html)

03在留カードが本物で有効か:読取アプリと失効情報照会を併せて使う

在留カード等読取アプリと失効情報照会
在留カード等読取アプリと失効情報照会

出入国在留管理庁は、券面の偽造技術が精巧になり、有効な在留カード番号を使った偽変造カードも出ているとして、在留カード等読取アプリケーションを無料で配布しています。アプリはICチップの情報を読み取って画面に出すもので、券面と見比べれば偽変造に気づきやすくなります。雇用契約の場などで使うときは、本人の同意を得て在留カードの提示を受けることが前提です。

  1. アプリを最新の版にする古い版のままだと正しく動かないことがあります。パソコンならICカードリーダーが要ります。
  2. 本人の同意を得てカードを読み取る画面の内容と券面、顔写真が一致するかを見ます。
  3. 失効情報照会で番号の有効性を確かめるアプリから照会できるほか、照会のページでも確かめられます。
  4. 疑わしいときは相談する偽変造が疑われるときは、近くの地方出入国在留管理官署へ問い合わせます。

同じページでは、アプリを使う場合は失効情報照会を併せて使うよう求めています。令和7年11月14日以降はアプリから照会ができるようになり、照会のページのURLは2026年1月5日から変わったとされています。古いURLをブックマークしている場合は、出入国在留管理庁のサポートページから開き直してください。

会社設立から間もなく、人を雇い慣れていない合同会社では、この確認を代表社員がひとりで行うことが多いはずです。誰が、いつ、何で確認したかを記録に残しておくと、あとで確認の過失を問われたときの備えになります。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html)

任せる仕事が在留資格に合うか:外国人雇用で会社が負う責任と就労資格証明書

不法就労を防ぐための確認
不法就労を防ぐための確認

就労できる範囲が決まっている在留資格では、任せる仕事がその範囲から外れると不法就労になります。出入国管理及び難民認定法73条の2は、事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者を処罰の対象とし、その外国人の活動が在留資格の範囲外であることなどを知らなかったことを理由に処罰を免れることはできない、ただし過失のないときは別、と定めています。会社設立したばかりで慣れていなくても、在留カードを確かめなかったことは、この過失に当たり得ます。

外国人の在留資格の区分と、合同会社で雇うときの考え方
区分 例 雇うときの確認
就労に制限のない在留資格 永住者、日本人の配偶者等、定住者など 仕事の内容による制限はない
就労の範囲が決まっている在留資格 技術・人文知識・国際業務など 任せる仕事が範囲に入るかを確かめる
原則として就労できない在留資格 留学、家族滞在など 資格外活動の許可と、その範囲を確かめる

※ 個別の判断に迷うときは、採用を決める前に地方出入国在留管理官署か行政書士に確認してください。

転職してくる人の場合、いまの在留資格が前の勤務先の仕事を前提に許可されていることがあります。そこで使えるのが就労資格証明書です。本人が行える就労活動を証明する文書で、勤務先や活動内容が変わった人も申請できます。出入国在留管理庁のページでは、手数料は許可のときに2,000円(オンライン申請は1,600円)、標準処理期間は当日、勤務先を変えた場合などは1か月から3か月とされています。

このセクションの根拠:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319)

外国人雇用状況の届出:合同会社もハローワークへ、雇入れと離職のたびに

外国人雇用状況の届出の期限
外国人雇用状況の届出の期限

厚生労働省は、外国人を雇い入れたときと離職したときに、すべての事業主がハローワークへ届け出なければならないと案内しています。会社設立したばかりの合同会社も、代表社員が外国人の会社も同じです。特別永住者と、在留資格「外交」「公用」の人は対象外です。届け出る事項は在留カードや旅券で確かめ、在留カードの写しを付ける必要はないとされています。

合同会社が外国人を雇うときの順番(出入国在留管理庁・厚生労働省の案内をもとに作成)
合同会社が外国人を雇うときの順番(出入国在留管理庁・厚生労働省の案内をもとに作成)
外国人雇用状況の届出の期限(厚生労働省の案内による。2026年10月時点)
区分 雇い入れたとき 離職したとき
雇用保険の被保険者になる人 翌月10日まで(資格取得届で届出) 翌日から10日以内(資格喪失届で届出)
雇用保険の被保険者にならない人 翌月末日まで 翌月末日まで

※ 届出を怠ったり偽ったりすると30万円以下の罰金の対象になります。

留学生のアルバイトのように雇用保険に入らない人でも、届出は要ります。会社設立後、外国人を雇うのが初めての合同会社では、雇用保険の手続きと届出が別のものだと思い込み、片方だけで終わらせてしまう例があります。資格取得届に在留資格などを書けば届出を兼ねられるので、様式の欄を確かめてから出してください。

このセクションの根拠:厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html)

SECTION 06社会保険と労働保険:代表社員ひとりの合同会社が人を雇うと増える手続き

合同会社の社会保険と労働保険
合同会社の社会保険と労働保険

日本年金機構の案内では、常時従業員を使用する法人の事業所は健康保険と厚生年金保険の適用事業所になります。合同会社も法人なので、報酬を受ける代表社員ひとりの会社でも加入の対象です。会社設立の直後に新規適用の手続きをしていれば、従業員を雇ったときは、その人の資格取得届を出すことになります。外国人の従業員も、加入の条件は日本人と同じです。

労働保険は、会社設立の時点ではなく、人を雇った時点で始まります。代表社員や業務執行社員は雇用保険と労災保険の対象になりませんが、最初の従業員を雇えば、労働保険の保険関係の成立と、雇用保険の適用事業所の設置の手続きが要ります。期限と窓口の一覧は、雇用のカテゴリーの記事にまとめています。

  • 代表社員(報酬あり)健康保険・厚生年金に加入。雇用保険・労災保険の対象外
  • 外国人の従業員(常勤)健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に加入
  • 留学生のアルバイト労災保険は対象。社会保険や雇用保険は働き方で判断

経営・管理の在留資格で日本にいる外国人の経営者にとって、この加入と納付は在留期間の更新でも確認される項目です。会社設立後はじめて人を雇うのを機に、給与の計算から保険料の納付までを誰が担うのかを決めておいてください。

このセクションの根拠:日本年金機構「適用事業所と被保険者」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150518.html)

雇ったあとに続く外国人雇用の管理:在留期間の更新と、本人と会社の届出

外国人の従業員を雇い続けるための管理
外国人の従業員を雇い続けるための管理

在留期間の更新は外国人本人が申請しますが、満了日を過ぎて働かせると会社の側も問題になります。在留カードの満了日を台帳にし、数か月前に本人へ声をかける仕組みをつくっておくと安心です。

技術・人文知識・国際業務などで日本で働く中長期在留者は、勤務先との契約が終わったときや新しく契約を結んだとき、勤務先の名称や所在地が変わったときに、14日以内に出入国在留管理庁長官へ届け出ます(入管法19条の16)。合同会社が商号や本店を変えたときは、従業員本人にもこの届出を伝えてください。

会社の側の届出もあります。入管法19条の17は、外国人を受け入れている機関に受入れの状況を届け出るよう努めることを求めていますが、ハローワークへ外国人雇用状況の届出をしなければならない事業主は除かれています。一般の合同会社なら、ハローワークへの届出をきちんと出すことが中心になります。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/shozokunikansuru_00001.html)

まとめ:合同会社の外国人雇用は、確認・照合・届出の三段で進める

合同会社で外国人を雇うときの手順
合同会社で外国人を雇うときの手順

合同会社の外国人雇用に、会社の形による特別な手続きはありません。違いがあるとすれば、社員という言葉が出資者を指すことと、代表社員ひとりで手続きを抱えがちなことです。日本で会社設立をしたばかりの外国人の経営者は、とくに後者に気をつけてください。

  1. 求人票と契約書では、出資者の社員と、雇う従業員を書き分ける
  2. 在留カードで在留資格、満了日、就労制限、資格外活動の許可を確かめる
  3. 読取アプリと失効情報照会で、カードの真正と有効性を確かめる
  4. 任せる仕事が在留資格の範囲に入るかを確かめ、迷えば就労資格証明書を使う
  5. 社会保険と労働保険に入れ、ハローワークへ外国人雇用状況を届け出る
  6. 満了日を管理し、従業員本人の14日以内の届出も伝える

外国人を雇うのは、日本で会社設立をした会社にとって大きな一歩です。手続きは多く見えますが、一度流れをつくれば2人目からは同じ順番で進められます。迷った点は、ハローワーク、地方出入国在留管理官署、社会保険労務士に、その一点だけ確かめてください。

このセクションの根拠:厚生労働省「労働保険の成立手続」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/index.html)

はじめて外国人を雇う合同会社の方へ

外国人を雇うときにいちばん大切なのは、相手の在留資格を一緒に確かめる姿勢です。在留カードを見せてもらうのは疑っているからではなく、本人と会社の両方を守るためだと、採用の最初に伝えてみてください。

外国人の代表社員が外国人を雇う合同会社も、日本人だけの合同会社も、守る決まりは同じです。日本で会社設立をした経緯や国籍の違いは、手続きの重さを変えません。

雇われる側の方へ。在留期間や勤務先が変わったら、日本で働く間は、自分で届け出る手続きがあります。分からないときは、会社と一緒に出入国在留管理庁の窓口へ確かめてください。

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