合同会社の設立手続きを順番に|外国人が日本で進めるときの書類と日程

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日本で合同会社を設立すると決めた外国人の方が、実際の手続きを順番に確認するための記事です。手続きを手伝う日本側の担当者が、進捗を確認する場面も想定しています。
合同会社の設立は、定款の作成、出資金の払込み、登記の申請という3つの工程で進みます。株式会社にある定款認証の工程がないため、確認する相手も法務局だけで済みます。
様式や必要書類は改定されることがあります。この記事は流れをつかむためのものですので、実際の提出書類は法務局の案内でご確認ください。
工程1:会社の内容を決める

合同会社の設立でも、最初に決めることは株式会社と変わりません。商号、事業目的、出資の額、本店所在地、社員の構成、事業年度です。ここで決めた内容が定款に載り、そのまま登記されます。
商号には「合同会社」という文字を入れます。名前の前でも後ろでも構いません。日本で会社設立をする外国人が本国のブランド名を使う場合も、この文字を組み合わせることになります。
事業目的は、実際に始める事業を中心に書きます。許認可が必要な事業では、目的の書き方が許可の判断に影響することがあります。会社設立の前に、許認可の窓口へ文言を確認しておいてください。
出資の額は、株式会社の資本金にあたります。在留資格「経営・管理」を目指す外国人が日本で会社設立をする場合、出資の総額が3,000万円以上という基準の対象になります。
本店所在地は登記されます。在留資格の審査では、その場所が事業所として使えるかどうかが別に見られます。自宅との兼用は原則として認められないとされているため、物件の条件を先に確認してください。
社員の構成では、誰が出資し、誰が業務執行社員になり、誰が代表社員になるかを決めます。ひとりで会社設立をする場合は、その人がすべてを兼ねることになります。
事業年度は、決算を締める期間です。設立日から逆算して、最初の事業年度が短くなりすぎないように決めてください。
会社設立の準備で見落とされやすいのが、同じ住所に同じ商号の会社が登記されていないかという確認です。同一住所・同一商号は登記できません。レンタルオフィスなど、同じ住所に多くの会社が入っている場所を本店にする場合は、事前に法務局で確認しておいてください。
外国人が日本で会社設立をするとき、商号をローマ字にするか日本語にするかで迷うことがあります。どちらでも登記できますが、取引先や金融機関の書類でカタカナ表記を求められることがあります。読み方も一緒に決めておくと、あとの手続きがそろいます。
このセクションの根拠:e-Gov法令検索「会社法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086)
工程2:定款を作成する

定款には、必ず記載しなければならない事項があります。目的、商号、本店の所在地、社員の氏名または名称と住所、社員が有限責任社員であること、社員の出資の目的と価額などです。
これに加えて、定款に定めておくと効力が生じる事項もあります。業務執行社員を誰にするか、代表社員を誰にするか、利益の配分をどうするか、社員が退社するときの扱いなどです。
合同会社では、利益の配分を出資の割合と違う形にすることもできます。自由度が高い反面、決めておかないと後で揉めます。会社設立の段階で考えておいてください。
定款を紙で作成すると、収入印紙4万円が必要になります。電子定款にすればこれがかかりません。日本で会社設立をする外国人が費用を抑えたい場合、電子定款を検討してください。
電子定款を作るには電子署名の環境が必要です。自分で用意するのが難しい場合は、司法書士や行政書士に依頼することになります。その報酬が4万円未満であれば、紙で作るより安くなります。
定款には社員が署名または記名押印します。外国人が日本で会社設立をする場合、印鑑登録をしていなければ、署名とその証明という形になります。
定款に業務執行社員を定めておくと、経営に当たる人を絞ることができます。出資はするけれど経営には関わらない社員がいる場合、この定めが役に立ちます。日本で会社設立をする外国人が、本国の関係者から出資を受けるような場面で使われる設計です。
このセクションの根拠:日本公証人連合会「Q7. 認証の手数料(定款認証)」(https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12/12-q7)
SECTION 03工程3:出資金を払い込む

出資金は、社員の個人口座に払い込みます。会社の口座はまだ存在しないためです。株式会社の資本金の払込みと同じ考え方です。
払込みは、定款の作成のあとに行うのが原則とされています。日付が前後すると、そのお金が出資として払い込まれたものかどうかが区別できなくなります。
日本で会社設立をする外国人が本国から送金する場合、着金までに数日かかります。送金の指示日ではなく、日本側の口座に入った日を基準に考えてください。
払込みが終わったら、通帳の表紙、1ページ目、入金の記載があるページの写しを取ります。ネット銀行の場合は取引明細を印刷します。
これらを合わせて、払込みがあったことを証する書面を作ります。代表社員が作成し、会社の実印を押します。登記の添付書類になります。
社員が複数いる場合は、それぞれの名義で振り込みます。誰がいくら出したかが通帳の記録から読み取れるようにしておいてください。
払込みの金額は、定款に書いた出資の額と一致している必要があります。海外送金では振込手数料が引かれて着金額が減ることがあります。会社設立の実務では、手数料の分を上乗せして送金しておく方法がよく使われます。不足した場合は、追加で入金することになります。
このセクションの根拠:会社設立JAPAN「会社設立時の資本金払込口座について」(https://samurai-law.com/kaisha/sub01_06/)
工程4:登記を申請する

書類がそろったら、本店所在地を管轄する法務局へ登記を申請します。申請した日が会社の設立日として登記されます。
合同会社の設立登記に添える書類は、登記申請書、定款、払込みがあったことを証する書面、代表社員の就任承諾書、印鑑届書、登録免許税の納付用台紙などです。
登録免許税は、出資の総額の1000分の7で、最低6万円です。収入印紙で納付するのが一般的です。日本で会社設立をする外国人も、この計算は同じです。
申請の方法は、窓口への持参、郵送、オンラインの3つがあります。オンライン申請には事前の準備が必要です。
登記が完了するまでには、混み具合によりますが数日から2週間程度かかります。完了しないと登記事項証明書が取れないため、次の手続きはそれまで動けません。
完了したら、登記事項証明書と会社の印鑑証明書を取ります。この2つは、このあとの手続きで何度も使います。
印鑑届書には、会社の実印を押します。この印鑑は登記の前に作っておく必要があります。作成に数日かかることもあるため、外国人が日本で会社設立をする日程には、この時間も入れておいてください。
このセクションの根拠:法務局「商業・法人登記の申請書様式」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html)
印鑑証明書が取れない場合

合同会社の設立登記でも、代表社員の印鑑証明書が求められます。日本に住民登録があり印鑑登録をしていれば、市区町村で取れます。
印鑑登録をしていない外国人が日本で会社設立をする場合、記名押印に代えて署名し、その署名が本人のものであることを本国の官憲が証明した書類を添えるという扱いが取られます。
サイン証明(署名証明)や宣誓供述書がこれにあたります。本国の公証人役場や役所、日本にある本国の大使館や領事館で取得できることがあります。
外国語で作成された書類には、原則として日本語訳を添えます。翻訳の時間も日程に入れてください。
求められる書類の形は、法務局によって細かい部分が異なることがあります。会社設立の準備に入る前に、登記を出す予定の法務局へ確認してください。
合同会社の場合、確認する相手が法務局だけになります。株式会社では公証役場にも確認が必要になるため、この点は手間が少なくなります。
日本に住民登録がある外国人であれば、市区町村で印鑑登録ができます。会社設立を思い立った段階で登録しておけば、その後の手続きが日本人と同じ流れになります。登録できる印鑑の条件は自治体によって違うため、窓口で確認してください。
このセクションの根拠:司法書士法人永田町事務所「宣誓供述書や署名(サイン)証明書の取得地や注意点」(https://asanagi.co.jp/2022/06/18/3590/)
06日程の組み方

合同会社の設立で日数がかかるのは、本国からの書類の取り寄せと、登記の完了待ちです。この2つを先に見積もってください。

株式会社と比べると、公証役場での事前確認と予約の分だけ短くなります。日本で会社設立を急ぐ事情がある外国人にとって、この差は意味があります。
ただし、本国からの取り寄せは形態によって変わりません。ここが日程の起点になることは、株式会社でも合同会社でも同じです。
登記の完了を待つ間にも、できることがあります。会社の印鑑の作成、事務所の準備、事業計画書の作成など、登記事項証明書が要らない作業は先に進めておいてください。
事業所の契約も、この期間に進めます。在留資格「経営・管理」を目指す場合、会社名義で事業用として契約することが基本になります。登記が終わっていないと会社名義で契約できないため、貸主と相談して段取りを決めてください。
このセクションの根拠:JETRO「日本での拠点設立方法」(https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section1/page1.html)
設立後にやること

登記が完了したら、設立後の手続きに入ります。この部分は株式会社と変わりません。
税務署へは、法人設立届出書を設立の日以後2か月以内に提出します。青色申告の承認申請書や、給与支払事務所等の開設届出書も出します。
年金事務所へは、健康保険・厚生年金保険の新規適用届を、事実の発生から5日以内に提出します。期限が短いため、最初にカレンダーへ入れておいてください。
都道府県と市区町村にも、法人設立に関する届出をします。様式と期限は自治体によって異なります。
法人口座の開設も進めます。外国人が代表の会社では、事業の実態についての説明を求められることが多くなります。事業所の写真や取引の見込みなど、資料を用意しておいてください。
自分で経営していく場合は、在留資格「経営・管理」の申請も並行して進めます。事業計画書には専門家の確認が必要です。日本で会社設立をした外国人にとって、この準備が最後の関門になります。
設立後の届出をまとめて処理したい場合、税理士や社会保険労務士に依頼する方法もあります。日本で会社設立をした外国人が、日本語の書類作成に不安がある場合、この部分だけでも任せると負担が軽くなります。
このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)
よくある質問

相談の場でよく出る質問を、この記事の内容に沿ってまとめました。事案によって結論は変わりますので、判断の材料としてお読みください。
合同会社の設立にはどれくらいかかりますか。
書類がそろっていれば、定款の作成から登記の申請までは数日で進められます。ただし本国からの書類の取り寄せや登記の完了待ちを含めると、全体では数週間から数か月を見込んでください。
合同会社でも印鑑証明書は必要ですか。
代表社員の印鑑証明書が求められます。印鑑登録をしていない場合は、署名とその証明で代えることになります。求められる形は法務局にご確認ください。
登録免許税はいくらですか。
出資の総額の1000分の7で、最低6万円です。株式会社の最低15万円と比べて低く設定されています。
この項目の根拠:法務局「商業・法人登記の申請書様式」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html)
SECTION 09まとめ:3つの工程と、2つの待ち

外国人が日本で合同会社を設立するときの手続きを見てきました。定款の作成、出資金の払込み、登記の申請という3つの工程です。
- 会社の内容を決める。在留資格を目指すなら出資の総額も含めて考える
- 定款を作成する。認証は不要。電子定款なら収入印紙がかからない
- 出資金を払い込む。定款の作成日より後に。記録を残す
- 登記を申請する。申請日が設立日になる
- 完了後、届出と法人口座の開設、在留資格の申請へ進む
様式と必要書類は改定されます。実際の提出前に法務局の案内をご確認ください。会社設立の登記は司法書士、在留資格は行政書士、税務は税理士へご相談ください。
最後にひとつ。合同会社を選んだ理由が費用だけの場合でも、設立の後は株式会社と同じように事業を続けていくことになります。会社設立はあくまで入口です。その先の運営を見据えて、形態を選んでください。
このセクションの根拠:法務省「商業・法人登記」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html)
読んでくださった方へ
合同会社の設立は、工程が少ない分だけ見通しが立てやすい手続きです。書類の準備さえ整えば、順番どおりに進みます。
日本で会社設立をする外国人にとって、いちばん時間がかかるのは本国からの書類の取り寄せです。ここだけ早めに動いておけば、あとは滞りません。
分からない部分が出てきたら、法務局に電話で聞いてみてください。手続きの内容については、丁寧に教えてもらえます。
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