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会社設立 外国人 手順

外国人の会社設立はどれくらいかかる?在留資格まで含めたスケジュールの立て方

外国人の会社設立はどれくらいかかる?在留資格まで含めたスケジュールの立て方

この記事を読むとよい方

「日本で会社設立をしたいが、いつごろ動き出せば間に合うのか」を知りたい外国人の方と、その日程を組み立てる日本側の担当者に向けた記事です。開業予定日や、いまの在留期間の満了日から逆算したい場面を想定しています。

外国人の会社設立で日程が読みにくいのは、自分で早めることができない工程がいくつも混ざっているからです。本国から証明書を取り寄せる時間、公証役場の予約、法務局の処理、入管の審査。この記事では、その待ち時間がどこにあるかを工程ごとに分けます。

以下の日数は、公表資料と一般的な進み方から示した目安です。地域や時期、事案の内容によって変わります。確定した日数ではない点にご注意ください。

全体を3つのかたまりに分けて考える

日程は準備・設立・設立後の3つに分けると読みやすくなります
日程は準備・設立・設立後の3つに分けると読みやすくなります

外国人が日本で会社設立をするときの日程は、大きく3つに分かれます。ひとつ目は準備のかたまりで、書類の取り寄せと会社の内容決めが入ります。ふたつ目は設立のかたまりで、定款から登記までです。3つ目は設立後のかたまりで、届出と法人口座、そして在留資格の手続きが入ります。

3つのかたまりと、それぞれで待ちが発生する場所
3つのかたまりと、それぞれで待ちが発生する場所

このうち、日程が読みにくいのは1つ目と3つ目です。2つ目の設立のかたまりは、書類さえそろっていれば自分の段取りで詰められます。日本で会社設立をする外国人の日程が伸びるとき、原因はたいてい準備か設立後にあります。

日程を考えるときに大事なのは、会社設立の作業そのものにかかる時間と、待たされる時間を分けて数えることです。外国人が日本で会社設立を進める場合、この待たされる時間の割合が、日本人だけで設立する場合より大きくなります。本国の役所や在外公館が関わる工程が入ってくるためです。

このセクションの根拠:JETRO「日本での拠点設立方法」(https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section1/page1.html)

準備でいちばん時間がかかるのは書類の取り寄せ

海外から取り寄せる書類は、日程の起点になります
海外から取り寄せる書類は、日程の起点になります

印鑑登録をしていない外国人が発起人や代表者になる場合、印鑑証明書の代わりになる書類が必要になります。本国の官憲が署名を証明した書類、いわゆるサイン証明(署名証明)や、宣誓供述書がこれにあたります。

  • どこで取るか:本国の公証人、または日本国内の本国大使館・領事館で取れる場合があります。
  • 何日かかるか:発行そのものは短くても、郵送や予約待ちが加わります。海外からの送付なら1〜2週間を見ておくと安全です。
  • 翻訳は要るか:外国語の書面には、原則として日本語訳を添えます。翻訳の時間も日程に入れます。
  • 有効期限はあるか:発行から3か月以内のものを求められることがあります。取るのが早すぎても困ります。

あわせて、事務所を借りるなら物件探しもこの時期です。在留資格「経営・管理」を目指す場合、事業所の条件が別に見られます。物件の契約は金額が動くため、条件を確認してから進めてください。

日本で会社設立をする準備の中で、自分で早められるのは会社の内容を決める作業だけです。商号、事業目的、資本金の額、本店所在地。これらは考えれば決まります。逆に、本国の役所から書類が届く日は、こちらの都合では動きません。準備のかたまりでは、まず動かせない工程から手配してください。

このセクションの根拠:日本公証人連合会「Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」(https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q03)

03定款の作成と認証にかかる時間

定款認証は予約が必要です。混雑期は余裕をみてください
定款認証は予約が必要です。混雑期は余裕をみてください

定款そのものの作成は、内容が決まっていれば長くはかかりません。時間が読みにくいのは、株式会社の場合に必要な公証人の認証です。公証役場は予約制で、事前に定款の案を送って内容を確認してもらう流れが一般的です。

  • 定款案の事前確認公証役場に案を送り、直しがあれば修正します。数日かかることがあります。
  • 認証の予約希望日に空きがあるとは限りません。年度末など混む時期は早めに動きます。
  • 認証の当日発起人本人が行くか、委任状を作って代理人が行きます。
  • 合同会社の場合認証の手続きがないため、この工程がまるごとありません。

外国人が発起人になる場合、公証役場によって求められる書類の形が違うことがあります。日本で会社設立を進めるなら、認証を受ける予定の公証役場へ先に電話で確認しておくと、当日のやり直しを避けられます。

会社設立の形態を株式会社にするか合同会社にするかで、この工程の有無が変わります。合同会社を選んだ外国人の会社設立が早く終わることが多いのは、この認証の工程がまるごとないためです。ただし、形態の選択は日程だけで決める話ではありません。

このセクションの根拠:日本公証人連合会「Q7. 認証の手数料(定款認証)」(https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12/12-q7)

資本金の払込みは、送金の着金日で決まる

資本金は着金の日付が重要です。送金の指示日ではありません
資本金は着金の日付が重要です。送金の指示日ではありません

資本金の払込みは、発起人個人の口座に入金し、その記録を残す作業です。国内の口座間なら当日で終わりますが、海外からの送金は数日かかります。ここを見落とすと、日程が一週間ほどずれます。

送金の際、金融機関から資金の出どころについて確認を受けることがあります。外国人が日本で会社設立をするときの資本金は、在留資格の審査でも出どころを説明する場面があります。送金の記録は、あとで説明に使えるように残しておいてください。

資本金の額そのものについては別のカテゴリーで扱いますが、日程の観点では「いつ入金するか」がすべてです。外国人が海外の口座から資本金を送る会社設立では、通貨の両替や中継銀行の処理で、想定より1〜2日ずれることがあります。

このセクションの根拠:国税庁「No.6531 新規開業や法人の新規設立のとき」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6531.htm)

登記は申請日が設立日、完了までは別の日数

登記の申請日と完了日は違います。次の手続きは完了後です
登記の申請日と完了日は違います。次の手続きは完了後です

法務局へ登記を申請した日が、会社の設立日になります。ここは自分で選べる日付です。縁起のよい日や、事業年度の区切りに合わせたい場合は、この日を狙って書類をそろえます。

一方で、登記が完了するまでには別の日数がかかります。混み具合によりますが、数日から2週間程度を見ておくのが一般的です。完了しないと登記事項証明書が取れないため、法人口座の開設や税務署への届出は、それまで動けません。

工程ごとの日数の目安。実際は地域と時期で変わります
工程ごとの日数の目安。実際は地域と時期で変わります

登記の完了を待つ間にできることもあります。法人の印鑑の作成、事務所の内装や什器の手配、ウェブサイトの準備など、登記事項証明書が要らない作業を先に進めておくと、完了後の動きが速くなります。日本で会社設立をする外国人の場合、この期間に事業計画書の内容を詰めておくと、あとの在留資格の申請が楽になります。

このセクションの根拠:法務局「商業・法人登記の申請書様式」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html)

SECTION 06設立後の届出には、日数の短いものがある

設立後の届出は期限がばらばらです。短いものから片づけます
設立後の届出は期限がばらばらです。短いものから片づけます

登記が終わると、期限のある届出が続きます。日本で会社設立をした外国人も、この部分は日本人と同じ扱いです。特に短いのは社会保険の新規適用届で、事実の発生から5日以内とされています。

設立後の届出と期限の起算点
届出 期限 起算点
健康保険・厚生年金保険 新規適用届 5日以内 事実の発生から
給与支払事務所等の開設届出書 1か月以内 開設の日から
法人設立届出書 2か月以内 設立の日以後
青色申告の承認申請書 期限は計算式で決まる 設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了の日のうち早い日の前日まで

※ 2026年8月時点の公表資料にもとづく目安です。個別の取り扱いは所轄の税務署・年金事務所へご確認ください。

青色申告の承認申請書は、期限を過ぎるとその事業年度は白色申告になります。設立から3か月というのは短い期間です。会社設立の直後に税理士へ相談する人が多いのは、この期限があるためです。

届出の書類そのものは難しくありませんが、提出先が税務署・都道府県・市区町村・年金事務所・労働基準監督署と分かれています。会社設立の直後は、どこに何を出したかが分からなくなりがちです。提出先ごとに控えをまとめておくことをおすすめします。

このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

日程でつまずいた実例と、その原因

日程が伸びる原因は、順番の取り違えに集約されます
日程が伸びる原因は、順番の取り違えに集約されます

外国人の会社設立で日程が伸びるとき、原因はいくつかの型に分かれます。書類が難しかったからではなく、動かす順番を取り違えたことが理由であることがほとんどです。

日程が伸びる代表的な原因と、避け方
日程が伸びる代表的な原因と、避け方

どれも、あとから振り返れば防げたものばかりです。日本で会社設立をするときは、着手の前に一度、工程の全体を紙に書き出してみてください。会社設立の作業自体は同じでも、順番が違うだけで、かかる時間は大きく変わります。

もうひとつ多いのが、会社設立の日程と決算期の関係を後から知る例です。事業年度の区切りを設立日から逆算せずに決めてしまい、最初の事業年度が極端に短くなることがあります。短い事業年度でも申告は必要になるため、設立日と事業年度は一緒に考えてください。

このセクションの根拠:コンチネンタル国際行政書士法人「外国人の日本での会社設立ガイド」(https://continental-immigration.com/corporate/corporation/)

よくある質問

よくある質問。判断の材料としてお読みください
よくある質問。判断の材料としてお読みください

相談の場でよく出る質問を、この記事の内容に沿ってまとめました。事案によって結論は変わりますので、判断の材料としてお読みください。

外国人の会社設立は最短でどれくらいで終わりますか。

書類がすべてそろっている状態からであれば、定款の認証から登記の申請までは数日で進めることも可能です。ただし本国からの書類の取り寄せや、登記完了後の法人口座の開設、在留資格の審査を含めると、全体では数か月単位で見ておくのが現実的です。

登記が終われば、すぐに事業を始められますか。

登記の完了で会社は存在しますが、法人口座の開設や、事業によっては許認可が別に必要です。また、自分で経営するには在留資格の面での確認も要ります。

この項目の根拠:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-3.html)

09まとめ:待ち時間のある工程から先に着手する

待ちのある工程を先に動かすと、全体が短くなります
待ちのある工程を先に動かすと、全体が短くなります

在留資格「経営・管理」への変更や、在留資格認定証明書の交付申請は、会社の登記が終わってからでないと出せない資料があります。登記事項証明書や、事務所の契約書、事業計画書などです。したがって、在留資格の時計は登記完了後に動き始めます。

審査にかかる期間は事案によって幅があります。標準処理期間は入管庁が公表していますが、資料の追加を求められるとその分だけ伸びます。2025年10月16日施行の改正で、事業計画書について中小企業診断士・公認会計士・税理士のいずれかによる確認が義務づけられました。この確認を取る時間も、日程に入れる必要があります。

在留資格の申請では、会社設立が終わっていることを示す資料に加えて、その会社が続いていくと判断できる材料が求められます。事務所の実在、資本金の裏づけ、取引の見込み、雇う人の確保。外国人が日本で会社設立をしたあと、この説明の準備に思ったより時間がかかることがあります。書類を集める時間だけでなく、内容を組み立てる時間も日程に入れてください。

外国人が日本で会社設立をするときの日程は、自分の作業時間ではなく、待ち時間で決まります。本国からの書類の取り寄せ、公証役場の予約、登記の完了、金融機関の審査、入管の審査。この5つが待ちの正体です。

  1. 本国から取り寄せる書類を、有効期限を見ながら早めに手配する
  2. 会社の内容を固め、公証役場に定款案を送って予約を取る
  3. 資本金の着金日を確認してから、定款の日付と払込みの日を決める
  4. 登記の申請日を設立日として決め、完了を待つ
  5. 完了後、期限の短い届出から順に出し、並行して在留資格の準備に入る

ここに書いた日数は目安であり、保証された期間ではありません。特に在留資格の審査は事案ごとに差が出ます。日程が決まっている用件がある場合は、早めに専門家へ相談し、間に合うかどうかの見立てを取ってください。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-3.html)

最後に:日程は「待ち」から組む

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。日程の相談を受けるとき、いちばん多いのが「思ったより書類の取り寄せに時間がかかった」という話です。作業そのものより、待つ時間のほうが長いのがこの手続きの特徴です。

開業したい時期や、在留期間の満了日が決まっているなら、そこから逆算して、いま何を手配すべきかを一度書き出してみてください。順番が見えるだけで、動きやすくなります。

このサイトでは、ここで触れた工程をカテゴリーごとにもう少し細かく扱っています。気になる工程から読んでみてください。

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