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会社設立 外国人 事務所

事務所の探し方と契約の進め方|外国人が日本で会社設立するときの物件交渉

事務所の探し方と契約の進め方|外国人が日本で会社設立するときの物件交渉

この記事の対象

日本で会社設立をするために事務所を探している外国人の方に向けた記事です。物件探しを手伝う日本側の担当者にも読んでいただけます。

事業用の物件を借りるのは、住居を借りるのとは違う手続きになります。審査の内容も、必要な書類も変わります。外国人が代表の新しい会社では、断られることもあります。

以下は一般的な進め方の整理です。地域や物件によって扱いが違うため、実際の交渉は不動産会社と相談しながら進めてください。

条件を書き出すところから始める

条件を決めてから物件を探します
条件を決めてから物件を探します

物件を探す前に、条件を書き出します。何も決めずに見に行っても、判断ができません。日本で会社設立をする外国人が最初にやる作業です。

必要な広さは、事業の内容と人数から決まります。ひとりで始めるのか、常勤職員を雇うのか。在留資格「経営・管理」を目指すなら、1人以上の常勤職員の雇用が必要になるため、その分の席も要ります。

必要な設備も事業によって変わります。飲食業なら厨房、物販なら在庫を置く場所、士業やコンサルティングなら打ち合わせのできる空間。会社設立の前に、事業計画と合わせて考えてください。

場所は、取引先や顧客からの通いやすさで決めます。自宅の近くという理由だけで選ぶと、事業の面で不利になることがあります。

予算は、初期費用と毎月の賃料の両方で考えます。売上が立つまでの期間を見込んで、支払い続けられる額に抑えてください。

物件探しの前に決めておくこと
物件探しの前に決めておくこと

条件を書き出すときは、譲れないものと、譲れるものを分けておいてください。すべての条件を満たす物件は、なかなか見つかりません。日本で会社設立をする外国人が物件探しで長引くのは、優先順位が決まっていないことが原因のこともあります。

入居したい時期も決めておきます。会社設立の登記、在留資格の申請、事業の開始。それぞれの時期から逆算すると、いつまでに物件を決めるべきかが見えてきます。

このセクションの根拠:東京都「TOKYO創業ステーション(東京都中小企業振興公社)」(https://startup-support.metro.tokyo.lg.jp/)

SECTION 02不動産会社への伝え方

不動産会社には最初に条件を伝えます
不動産会社には最初に条件を伝えます

不動産会社に相談するときは、条件を最初に伝えてください。法人契約であること、事業用として使うこと、外国人が代表であること。これらを後から伝えると、話が止まることがあります。

また、会社設立がこれからであることも伝えます。登記が終わっていない段階では会社名義で契約できないため、順番をどうするかを相談することになります。

事業の内容も説明してください。何をする会社なのかが分かると、物件の提案がしやすくなります。日本で会社設立をする外国人の場合、事業の内容が伝わりにくいことがあるため、資料を用意しておくとよいと思います。

在留資格の関係で事務所の条件があることも伝えてください。不動産会社によっては、この事情を知らないことがあります。条件を満たす物件を探してもらうために、説明が必要です。

事業の内容を説明する資料は、1枚にまとめておくと便利です。会社設立の準備で作った事業計画書の要約でも構いません。不動産会社にも、貸主にも、同じものを見せられます。

このセクションの根拠:経営管理ビザ・日本進出サポートセンター「外資系の新設法人はなぜ銀行口座を作りにくいのか」(https://touch.or.jp/keiei/foreign-company-bank-account-japan/)

入居審査で見られること

入居審査で確認される点
入居審査で確認される点

事業用の物件を借りるときは、入居審査があります。貸主や保証会社が、賃料を払い続けられるかを判断します。

設立したばかりの会社には決算の実績がないため、事業計画書や、代表者の資力を示す資料が求められることがあります。日本で会社設立をする外国人の場合、資本金の額や、預金の状況が材料になります。

代表者の在留資格と在留期間も見られることがあります。在留期間が短いと、その点について説明を求められることがあります。

保証会社の利用を求められることが一般的です。保証料が発生します。外国人が代表の法人契約では、保証会社の条件が厳しくなることもあります。

連帯保証人を求められることもあります。日本に住む人を立てられるかどうかが問われる場合があります。

審査に時間がかかることもあります。数日で終わることもあれば、2週間程度かかることもあります。会社設立の日程を組むときは、この期間も見込んでください。

審査の結果が出るまでの間に、ほかの物件が埋まってしまうこともあります。第2候補、第3候補まで見ておくと、決まらなかったときに動きやすくなります。

このセクションの根拠:東京都「TOKYO創業ステーション(東京都中小企業振興公社)」(https://startup-support.metro.tokyo.lg.jp/)

断られたときにどうするか

断られた場合の対応
断られた場合の対応

外国人が代表の新しい会社は、入居審査で断られることがあります。貸主の判断によるもので、理由が示されないこともあります。

考えられるのは、事業の実績がない、代表者の在留期間が短い、保証人を立てられない、事業の内容が説明しづらい、といった点です。日本で会社設立をする外国人が直面しやすい状況です。

次に当たるときは、資料を整えてから動いてください。事業計画書、資本金の状況、取引先の見込み。支払える見込みを示せる材料をそろえます。

別の不動産会社を当たる方法もあります。取り扱う物件が違いますし、貸主の考え方も違います。1件で決めきらず、複数を当たってください。

また、条件を少し変えるだけで見つかることもあります。場所を少しずらす、広さを見直す、築年数の条件を緩める。会社設立の予定に合わせて、優先順位を整理してみてください。

外国人が日本で会社設立をするとき、不動産会社の担当者が制度を理解していないことがあります。在留資格「経営・管理」で事務所の条件があることを説明すると、協力してもらえることもあります。

このセクションの根拠:経営管理ビザ・日本進出サポートセンター「外資系の新設法人はなぜ銀行口座を作りにくいのか」(https://touch.or.jp/keiei/foreign-company-bank-account-japan/)

05契約の流れと必要書類

契約までの流れ
契約までの流れ

物件が決まったら、申込みをして審査を受けます。通れば契約に進みます。会社設立の登記が終わっていれば会社名義で契約できます。

必要になる書類は、登記事項証明書、会社の印鑑証明書、事業計画書、代表者の本人確認書類、在留カードなどです。会社設立の後に取った証明書が使えます。

登記がまだ終わっていない段階では、個人名義で契約して後から会社名義に切り替える方法が取られることがあります。貸主の了解が必要になるため、申込みの時点で相談してください。

契約書は日本語で作られます。賃料、契約期間、更新の条件、用途、解約の予告期間などが書かれています。外国人が日本で会社設立をするときは、内容を理解してから署名してください。

  • 申込み申込書に記入し、必要書類を提出します。
  • 審査貸主や保証会社が判断します。数日から2週間程度。
  • 契約契約書に署名押印し、初期費用を支払います。
  • 鍵の引き渡し入居日に鍵を受け取ります。

契約書の写しは、在留資格の申請と法人口座の開設の両方で使います。大切に保管してください。

初期費用は、契約の直前にまとまった金額が必要になります。敷金、礼金、仲介手数料、前払いの賃料、保証料。日本で会社設立をする外国人は、資本金とは別にこの資金を用意しておいてください。

契約書の内容で分からない部分があれば、その場で聞いて構いません。日本で会社設立をする外国人にとって、賃貸借契約の日本語は難しい部分があります。原状回復の範囲や、解約の予告期間は、後で問題になりやすい項目です。

このセクションの根拠:法務局「商業・法人登記の申請書様式」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html)

入居後にやること

入居後の準備
入居後の準備

入居したら、事業ができる状態に整えます。机や椅子、パソコン、通信環境。事業の内容によっては専用の設備も必要です。

看板や表札も用意してください。会社名が表示されていると、そこが事務所であることが伝わります。日本で会社設立をした外国人が在留資格の申請をするとき、写真を撮る材料になります。

写真は、外観、入口の看板、室内の様子、机や什器の状態を撮ります。在留資格の申請と法人口座の開設の両方で使います。契約したばかりで何も置いていない状態だと、説明が難しくなります。

郵便物が届くようにしておくことも大切です。役所からの通知や、金融機関からの書類が届きます。会社設立の後の手続きは、郵便でのやり取りが多くなります。

事務所が整うと、事業の実態を説明しやすくなります。在留資格の申請でも、法人口座の開設でも、写真が有力な材料になります。会社設立の後、早めに整えておいてください。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「「経営・管理」の許可基準の改正等について(令和7年10月16日施行)」(https://www.moj.go.jp/isa/content/001448070.pdf)

許認可が必要な事業の場合

許認可が必要な事業では、物件の条件も確認します
許認可が必要な事業では、物件の条件も確認します

許認可が必要な事業では、物件そのものに条件があることがあります。契約してから条件に合わないと分かると、借り直しになります。

飲食業であれば、厨房の設備や、手洗いの設置など、保健所の基準があります。宅地建物取引業であれば、事務所の独立性についての要件があります。

日本で会社設立をする外国人が許認可の必要な事業を予定している場合、物件を決める前に許認可の窓口へ相談してください。図面を持って行くと、具体的に確認してもらえることがあります。

また、許認可の申請は会社設立の登記が終わってからでないとできないことが多くあります。物件の契約、登記、許認可という順番を、事業の開始時期から逆算して組んでください。

在留資格の審査でも、必要な許認可の取得状況等を証する資料の提出を求められるとされています。会社設立と許認可と在留資格の3つを並行して進めることになります。

許認可の窓口は、事業の種類によって違います。飲食業なら保健所、建設業なら都道府県、宅地建物取引業なら都道府県。会社設立の前に、自分の事業がどこの許認可を受けるのかを確認しておいてください。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「「経営・管理」の許可基準の改正等について(令和7年10月16日施行)」(https://www.moj.go.jp/isa/content/001448070.pdf)

SECTION 08よくある質問

よくある質問。判断の材料としてお読みください
よくある質問。判断の材料としてお読みください

相談の場でよく出る質問を、この記事の内容に沿ってまとめました。事案によって結論は変わりますので、判断の材料としてお読みください。

登記の前に契約できますか。

会社名義で契約するには登記が終わっている必要があります。実務では、個人名義で契約して後から会社名義に切り替える方法が取られることがあります。貸主の了解が必要になるため、申込みの時点で相談してください。

外国人だと借りにくいですか。

貸主の判断によります。断られることもありますが、事業計画書や資本金の状況など、支払える見込みを示せる材料をそろえると進みやすくなります。複数の不動産会社を当たることもおすすめします。

保証人は必要ですか。

保証会社の利用を求められることが一般的です。加えて連帯保証人を求められることもあります。日本に住む人を立てられるかが問われる場合があります。

この項目の根拠:経営管理ビザ・日本進出サポートセンター「外資系の新設法人はなぜ銀行口座を作りにくいのか」(https://touch.or.jp/keiei/foreign-company-bank-account-japan/)

まとめ:伝え方と準備で変わる

物件探しは、準備と伝え方で結果が変わります
物件探しは、準備と伝え方で結果が変わります

外国人が日本で会社設立をするときの事務所探しを見てきました。断られることもありますが、準備と伝え方で進み方が変わります。

  1. 条件を書き出す。広さ、設備、場所、予算、時期
  2. 不動産会社に条件を最初に伝える。法人契約、事業用、外国人が代表
  3. 入居審査に備えて資料を整える。事業計画書、資本金の状況
  4. 断られたら、資料を整えて別を当たる。条件の優先順位も見直す
  5. 契約後は事業ができる状態に整え、写真を撮っておく

地域や物件によって扱いが違います。この記事は一般的な進め方の整理です。在留資格の条件については、契約の前に行政書士へご確認ください。

最後にひとつ。事務所が決まると、会社設立の残りの手続きが一気に進みます。本店の住所が決まり、在留資格の申請に必要な資料もそろい始めます。ここが山場だと思って、丁寧に進めてください。

このセクションの根拠:経営管理ビザ・日本進出サポートセンター「外資系の新設法人はなぜ銀行口座を作りにくいのか」(https://touch.or.jp/keiei/foreign-company-bank-account-japan/)

読んでくださった方へ

事務所探しは、日本語でのやり取りが多い場面です。不安があれば、日本語のできる方に同行してもらってください。それだけで話が進みやすくなります。

断られることがあっても、その会社に問題があるとは限りません。貸主の事情や、たまたま条件が合わなかっただけということも多くあります。

日本で会社設立をする外国人にとって、事務所が決まると事業の姿が見えてきます。焦らず、条件に合う場所を探していただければと思います。

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