本文へ移動
会社設立 外国人 登記

設立後に必要になる変更登記|外国人が日本で会社を続けるときの手続きと費用

設立後に必要になる変更登記|外国人が日本で会社を続けるときの手続きと費用

この記事の対象

日本で会社設立を終えた外国人の方が、その後に必要になる登記について知っておくための記事です。会社の運営を手伝う日本側の担当者にも読んでいただけます。

登記は、会社設立のときだけの手続きではありません。役員が変わったとき、本店を移したとき、資本金を増やしたとき。そのたびに変更登記が必要になります。

期限が定められているものもあり、怠ると過料の対象になることがあります。この記事では、よくある変更と、その手続きと費用を整理します。

SECTION 01変更登記とは何か

登記事項が変わったら、変更登記が必要になります
登記事項が変わったら、変更登記が必要になります

登記事項証明書に記載されている内容が変わったとき、変更登記を申請します。商号、本店、事業目的、資本金の額、役員の氏名と住所など、登記されている項目が対象です。

変更が生じてから一定の期間内に申請することが定められています。怠ると過料の対象になることがあります。日本で会社設立をした外国人が、この仕組みを知らずに登記を忘れてしまう例があります。

変更登記には登録免許税がかかります。項目によって金額が違い、複数の変更を同時に申請する場合は、それぞれについて計算されます。

また、変更の内容によっては定款の変更も必要になります。事業目的や商号を変える場合は、株主総会の決議などによる定款変更を経てから登記を申請します。

外国人が日本で会社設立をするとき、登記は一度きりの手続きだと思われがちです。実際には、会社が続くかぎり、節目ごとに登記が必要になります。会社設立の時点で、この先どういう場面で登記が要るのかを知っておくと、あとで慌てずに済みます。

変更登記の申請先は、本店所在地を管轄する法務局です。会社設立のときと同じ法務局になります。本店を管轄外に移した場合は、移転後の法務局が管轄になります。

このセクションの根拠:法務省「商業・法人登記」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html)

役員の変更と重任

役員の任期満了は、忘れやすい登記の原因になります
役員の任期満了は、忘れやすい登記の原因になります

株式会社の取締役には任期があります。原則は2年ですが、株式の譲渡に制限を設けている会社では、定款で最長10年まで伸ばすことができます。

任期が満了すると、同じ人が続ける場合でも重任の登記が必要になります。人が変わっていないため、変更があったという意識が持ちにくく、忘れやすい登記です。

登録免許税は、役員に関する事項の変更として1件につき3万円、資本金の額が1億円以下の会社では1万円とされています。日本で会社設立をした外国人にとって、数年ごとに来る費用です。

任期を10年にしておけば、登記の回数は減ります。ただし、10年経つと今度は忘れやすくなります。会社設立のときに任期を何年にしたかを控えておき、満了の時期をカレンダーに入れておいてください。

合同会社には、この任期の仕組みがありません。代表社員を変えないかぎり、定期的な登記は発生しません。外国人が日本で会社設立をするときの形態選びで、この差が判断材料になることがあります。

重任の登記を忘れていて、数年後に気づくという相談は少なくありません。その場合でも、遡って登記することになります。日本で会社設立をした外国人が、日本語の通知を見落としてしまうこともあります。会社の郵便物は必ず確認してください。

このセクションの根拠:法務省「商業・法人登記」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html)

本店を移転したとき

本店移転の登記は、管轄によって費用が変わります
本店移転の登記は、管轄によって費用が変わります

事務所を移転して本店の所在地が変わったら、変更登記が必要です。移転先が同じ法務局の管轄内か、別の管轄かで手続きと費用が変わります。

登録免許税は、本店の移転として1か所につき3万円とされています。管轄が変わる場合、移転前と移転後の両方の法務局に関わる手続きになるため、負担が増えることがあります。

定款で本店の所在地を市区町村までにしている場合、同じ市区町村内での移転であれば定款の変更は不要です。番地まで書いている場合は、定款変更も必要になります。会社設立のときの書き方が、ここで効いてきます。

外国人が日本で会社設立をして在留資格「経営・管理」を持っている場合、事務所を移転すると在留資格の面でも影響があります。事業所の条件を満たす場所であるかを確認し、次の更新の際に説明できるようにしておいてください。

また、税務署や年金事務所への届出も必要になります。登記だけで終わりではありません。移転の予定が立ったら、関係する届出を一覧にしておいてください。

本店を移すときは、賃貸借契約の名義や用途も確認してください。在留資格「経営・管理」を持っている外国人が日本で事業を続ける場合、事業所の条件は入管の審査で見られます。会社設立のときと同じ基準で、移転先を選んでください。

このセクションの根拠:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)

04資本金を増やしたとき

増資の登記にかかる費用
増資の登記にかかる費用

新しく出資を受けて資本金を増やすことを増資といいます。株主総会や社員の同意、払込み、そして変更登記という流れで進みます。

登録免許税は、増加した資本金の額の1000分の7で、最低3万円とされています。たとえば500万円から3,000万円へ増やす場合、増加額2,500万円の1000分の7で17万5,000円になります。

在留資格「経営・管理」の基準に合わせるために増資を検討する外国人の方がいます。2025年10月16日施行の改正で資本金等の額が3,000万円以上とされたためです。すでに日本で会社設立をして経営している場合、経過措置の期間内に体制を整える方法のひとつになります。

増資で払い込む資金についても、出どころの説明が求められることがあります。事業で得た利益を原資にする場合は、決算書類と合わせて示せると分かりやすくなります。

増資の方法にはいくつかあります。第三者から新しく出資を受ける方法、既存の株主が追加で出資する方法、利益を資本に組み入れる方法など。どれを選ぶかで手続きが変わります。日本で会社設立をした外国人が在留資格の基準を満たすために増資する場合、税理士と司法書士に相談しながら進めてください。

このセクションの根拠:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html)

事業目的や商号を変えたとき

目的や商号の変更には、定款変更も必要です
目的や商号の変更には、定款変更も必要です

事業目的や商号を変えるには、まず定款を変更します。株主総会の特別決議や、合同会社では社員の同意によります。そのうえで変更登記を申請します。

登録免許税は、登記事項の変更として1件につき3万円とされています。目的と商号を同時に変える場合の扱いは、法務局へ確認してください。

事業目的を変えると、在留資格の申請で説明した内容と変わることになります。外国人が日本で会社設立をして在留資格を得ている場合、次の更新のときに事業の変化を説明することになります。

また、許認可を受けている事業では、目的の変更が許認可にも影響することがあります。許認可の窓口へも確認してください。

商号を変えると、会社の印鑑も作り直すことになります。銀行の届出、取引先への連絡、看板や名刺の作り直し。登記以外の作業も多く発生します。日本で会社設立をするときに商号を慎重に決めるべき理由のひとつです。

事業目的を追加するだけでなく、削ることもできます。実際にやらなくなった事業を残しておくと、会社の姿が分かりにくくなります。外国人が日本で会社設立をしてから数年経って事業が定まってきたら、一度見直してみてください。

このセクションの根拠:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)

代表者の住所が変わったとき

代表者の住所変更も登記の対象です
代表者の住所変更も登記の対象です

株式会社の代表取締役や、合同会社の代表社員の住所は登記事項です。引っ越して住所が変わったら、変更登記が必要になります。

日本で会社設立をした外国人が、在留資格の更新や住み替えで住所を変えることは珍しくありません。市区町村への転居届とは別に、会社の登記も変更する必要があります。

登録免許税は、役員に関する事項の変更として1件につき3万円、資本金の額が1億円以下の会社では1万円とされています。

海外に住んでいる代表者の場合も、住所が変われば変更登記が必要になります。本国での引っ越しも対象です。外国人が日本で会社設立をして海外から経営している場合、この点を忘れないようにしてください。

在留カードの住所変更と、登記の住所変更は別の手続きです。市区町村に転居届を出しても、会社の登記は自動的には変わりません。日本で会社設立をした外国人が引っ越すときは、両方を忘れないようにしてください。

このセクションの根拠:法務省「商業・法人登記」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html)

SECTION 07登記を怠るとどうなるか

登記を怠った場合の影響
登記を怠った場合の影響

登記すべき事項の変更を怠ると、過料の対象になることがあります。金額は事案によって変わりますが、代表者個人に対して通知が来ます。

それだけでなく、登記事項証明書の内容が実態と合わなくなります。取引先に提出したときに古い情報が載っていると、確認を求められます。金融機関や入管に出す場合も同じです。

日本で会社設立をした外国人が在留期間の更新を申請するとき、登記事項証明書を提出します。役員の情報が古いままだと、会社の実態について説明を求められることがあります。

変更が生じたら早めに登記する。これが結果としていちばん手間が少なくなります。会社設立の直後に、登記が必要になる場面を一覧にしておくとよいと思います。

顧問の司法書士がいれば、任期の管理や変更登記の案内をしてもらえることがあります。会社設立を依頼した事務所に、その後の付き合い方を相談してみてください。年に一度の連絡があるだけでも、忘れにくくなります。

このセクションの根拠:法務省「商業・法人登記」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html)

よくある質問

よくある質問。判断の材料としてお読みください
よくある質問。判断の材料としてお読みください

相談の場でよく出る質問を、この記事の内容に沿ってまとめました。事案によって結論は変わりますので、判断の材料としてお読みください。

役員が変わっていなくても登記は必要ですか。

任期が満了した場合、同じ人が続けるときでも重任の登記が必要です。人が変わっていないため気づきにくく、忘れやすい登記です。

変更登記の費用はいくらですか。

項目によって異なります。役員に関する事項の変更は1件につき3万円(資本金1億円以下の会社は1万円)、本店の移転は1か所につき3万円、登記事項の変更は1件につき3万円とされています。増資は増加した額の1000分の7で最低3万円です。

登記を忘れるとどうなりますか。

過料の対象になることがあります。また、登記事項証明書の内容が実態と合わなくなり、取引先や金融機関、入管に提出したときに説明を求められることがあります。

この項目の根拠:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)

まとめ:会社設立の後も登記は続く

会社設立時の設計が、後の登記の回数を決めます
会社設立時の設計が、後の登記の回数を決めます

外国人が日本で会社設立をしたあとに必要になる変更登記を見てきました。役員の重任、本店の移転、増資、目的や商号の変更、代表者の住所変更。それぞれに手続きと費用がかかります。

  1. 役員の任期を控えておく。満了の時期をカレンダーに入れる
  2. 本店の所在地は、定款で市区町村までにしておくと移転が楽になる
  3. 増資を検討するなら、増加額の1000分の7の登録免許税を見込む
  4. 目的や商号の変更は、定款変更と登記の両方が必要になる
  5. 代表者の住所が変わったら、会社の登記も変更する

登録免許税の額は改正されることがあります。実際の手続きの前に、国税庁の税額表と法務局の案内をご確認ください。会社設立の後の登記については司法書士へご相談ください。

このセクションの根拠:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)

読んでくださった方へ

会社設立が終わると、登記のことは頭から離れがちです。ただ、数年後に必ず必要になる手続きがあります。

日本で会社設立をした外国人にとって、登記の期限を管理するのは負担かもしれません。カレンダーに入れておくだけでも、忘れにくくなります。

顧問の司法書士がいれば、任期の管理も含めて見てもらえることがあります。会社設立を依頼した事務所に、その後のことも相談してみてください。

この記事は役に立ちましたか?

押した数は同じ端末では二重に数えません。内容の誤りや制度変更に気づいた方は、お問い合わせページからご連絡ください。