外国人の会社設立で必要な書類|提出先ごとに分けた一覧と、集める順番

この記事の使い方
日本で会社設立をするにあたって、何をそろえればよいのかを確認したい外国人の方と、その一覧をつくる日本側の担当者に向けた記事です。書類の名前が多くて整理がつかない、という段階を想定しています。
書類は、提出先ごとに分けると分かりやすくなります。公証役場に出すもの、法務局に出すもの、税務署に出すもの、年金事務所に出すもの、入管に出すもの。同じ書類を複数の場所で使うこともあります。
様式や必要書類は改定されることがあります。この記事は全体像をつかむためのものです。実際に提出する書類は、各機関の最新の案内でご確認ください。
SECTION 01書類は提出先で5つに分かれる

外国人が日本で会社設立をするとき、書類の提出先は5つに分かれます。公証役場、法務局、税務署と自治体、年金事務所と労働基準監督署、そして出入国在留管理局です。
それぞれ求めるものが違いますが、共通して使う書類もあります。たとえば登記事項証明書は、税務署にも金融機関にも入管にも出します。1通ずつ取っていると窓口へ何度も行くことになるため、まとめて取っておくのが実務的です。

順番も決まっています。公証役場での定款認証が終わらないと法務局へ登記を出せず、登記が終わらないと税務署や入管に出す書類がそろいません。会社設立の日程は、この順番に沿って組むことになります。
以下、束ごとに中身を見ていきます。金額や様式は改定されることがあるため、最終的な確認は各機関のページでお願いします。
書類の量に圧倒されるかもしれませんが、そのほとんどは会社設立の過程で自然に作られるものです。外国人が特別に用意するものは、印鑑証明書の代わりになる証明と、外国語の書面の日本語訳が中心です。この2つを先に押さえておけば、あとは順番に進みます。
このセクションの根拠:JETRO「日本での拠点設立方法」(https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section1/page1.html)
束1:公証役場に出すもの(株式会社の場合)

株式会社を設立する場合、定款について公証人の認証を受けます。持参するのは、認証を受ける定款と、発起人の本人確認に関する書類です。
- ●定款:3通用意するのが一般的です(公証役場保存用、会社保存用、登記用)。電子定款の場合は扱いが変わります。
- ●発起人の印鑑証明書:発行から3か月以内のものを求められることがあります。
- ●発起人の実印:定款に押印します。
- ●委任状:代理人が行く場合に必要です。
- ●実質的支配者となるべき者の申告書:公証役場に提出します。
外国人が日本で会社設立をする場合、印鑑登録をしていないと印鑑証明書が取れません。その場合は、署名が本人のものであることを本国の官憲が証明した書類、いわゆるサイン証明(署名証明)などを用意することになります。
定款の案は、事前に公証役場へ送って内容を確認してもらうのが一般的です。修正があればやり取りが発生するため、認証の予約日から逆算して早めに送ってください。
認証が終わると、認証済みの定款が交付されます。これが次の法務局への提出書類のひとつになります。会社設立の書類の中でも、特に大切に保管してください。
実質的支配者となるべき者の申告書は、株式会社の定款認証の際に公証役場へ提出するものです。誰が最終的にその会社を支配するのかを申告します。外国人が日本で会社設立をする場合、海外の親会社が関わるときなどに記載が複雑になることがあります。事前に公証役場へ相談してください。
このセクションの根拠:日本公証人連合会「Q7. 認証の手数料(定款認証)」(https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12/12-q7)
束2:法務局に出すもの

設立登記の申請書に、いくつかの書類を添えて法務局へ提出します。会社設立の書類の中では、この束がいちばん厚くなります。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 登記申請書 | 商号、本店、目的、資本金の額、役員などを記載します |
| 定款 | 株式会社は認証済みのもの。合同会社は作成したもの |
| 払込みがあったことを証する書面 | 通帳の写しなどを合わせて綴じます |
| 設立時取締役の就任承諾書 | 役員になることを承諾したことを示します |
| 印鑑証明書 | 発起人や設立時取締役のもの。取れない場合は代わりの書類 |
| 印鑑届書 | 会社の実印を法務局に届け出ます |
| 登録免許税の納付用台紙 | 収入印紙を貼付します |
※ 会社の形態や機関設計によって必要な書類が変わります。管轄の法務局の案内でご確認ください。
外国人が日本で会社設立をする場合、印鑑証明書の代わりにサイン証明や宣誓供述書を使うことがあります。外国語の書面には、原則として日本語訳を添えます。
申請の方法は、窓口への持参、郵送、オンラインの3つがあります。オンライン申請には事前の準備が必要です。会社設立の登記を司法書士に依頼する場合、この部分もまとめて対応してもらえます。
就任承諾書は、設立時取締役や代表取締役になる人が、その役職を引き受けることを示す書類です。日本で会社設立をする外国人が代表者になる場合、氏名の記載と署名の方法について確認が必要になることがあります。
このセクションの根拠:法務局「商業・法人登記の申請書様式」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html)
04束3:税務署と自治体に出すもの

登記が終わったら、税務署への届出をします。期限が定められているものがあるため、登記事項証明書が取れたらすぐに動いてください。
- ●法人設立届出書:設立の日以後2か月以内に提出します。定款などの写しを添えます。
- ●青色申告の承認申請書:設立第1期から青色申告を受けるには、設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了の日のうち早い日の前日までに提出します。
- ●給与支払事務所等の開設届出書:開設の日から1か月以内に提出します。
- ●源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書:条件に当てはまる場合に提出します。
- ●消費税に関する届出:課税事業者を選ぶ場合などに提出します。
都道府県と市区町村にも、法人設立に関する届出をします。地方税に関するもので、様式や期限は自治体によって異なります。日本で会社設立をした外国人も、この部分は日本人と同じ扱いです。
届出の様式は国税庁のページからダウンロードできます。e-Taxを使えばオンラインで提出することもできます。会社設立の直後は手続きが集中するため、まとめて処理できる方法を選ぶと楽になります。
届出の控えは必ず保管してください。会社設立の後、金融機関から提出を求められることがあります。e-Taxで提出した場合は受信通知を保存しておきます。外国人が日本で会社設立をした場合、在留期間の更新でも納税の状況を示す資料が必要になります。
このセクションの根拠:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)
束4:年金事務所と労働基準監督署に出すもの

法人の事業所は、常時従業員を使用する場合、健康保険と厚生年金保険の適用事業所になります。代表者ひとりだけの場合も含まれます。会社設立の後、年金事務所へ届出をします。
- 健康保険・厚生年金保険 新規適用届:事実の発生から5日以内に提出します。
- 被保険者資格取得届:被保険者になる人の分を提出します。
- 被扶養者(異動)届:被扶養者がいる場合に提出します。
- 労働保険 保険関係成立届:従業員を雇う場合、労働基準監督署へ提出します。
- 雇用保険 適用事業所設置届:ハローワークへ提出します。
新規適用届には、登記事項証明書を添えるのが一般的です。登記が完了していないと出せないため、順番としては登記のあとになります。
外国人が日本で会社設立をして常勤職員を雇う場合、その人の雇用保険の手続きも必要になります。在留期間の更新では、これらの履行状況が確認されます。
社会保険の手続きでは、代表者自身の資格取得届も出します。日本で会社設立をした外国人が、それまで国民健康保険に入っていた場合、切り替えの手続きが必要になります。市区町村での手続きも忘れないようにしてください。
このセクションの根拠:日本年金機構「1-1 事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」(https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kounen/tekiyo/jigyosho/20141205.html)
束5:出入国在留管理局に出すもの

自分で経営していくために在留資格「経営・管理」を申請する場合、入管へ出す書類が必要になります。会社の資料、事業計画書、本人の資料の3つに分かれます。
- 会社の資料登記事項証明書、定款の写し、事業所の賃貸借契約書、事業所の写真など。
- 事業計画書中小企業診断士・公認会計士・税理士のいずれかの確認を受けたもの。
- 本人の資料パスポート、在留カード、学位や職歴を示す書類、日本語能力を示す書類など。
- 常勤職員の資料雇用契約書、在留カードの写しなど。要件に関わります。
2025年10月16日施行の改正で、事業計画書について専門家の確認が義務づけられました。外国人が日本で会社設立をして最初に申請する場合、この確認を受ける時間も日程に入れる必要があります。
外国で発行された書類には、原則として日本語訳を添えます。翻訳に時間がかかることもあるため、早めに手配してください。
申請書そのものの様式も入管庁のページからダウンロードできます。記載する内容は多くありませんが、会社の情報を正確に書く必要があります。登記事項証明書を見ながら、商号や本店の表記をそのまま書き写してください。
このセクションの根拠:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html)
SECTION 07集める順番を決める

書類の一覧ができたら、集める順番を決めます。自分で早められないものから先に手配するのが基本です。

日本で会社設立をする外国人の場合、本国からの取り寄せが日程を決めることが多くあります。ただし証明書には有効期限が設定されていることがあるため、早すぎても困ります。会社の内容がおおむね固まってから手配してください。
このセクションの根拠:外務省「申請手続きガイド(証明できる書類)」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000549.html)
よくある質問

相談の場でよく出る質問を、この記事の内容に沿ってまとめました。事案によって結論は変わりますので、判断の材料としてお読みください。
印鑑証明書が取れない場合はどうしますか。
日本に住民登録がなく印鑑登録もしていない場合、記名押印に代えて署名し、その署名が本人のものであることを本国の官憲が証明した書類を添えるという扱いが取られます。求められる形は公証役場や法務局によって異なることがあるため、事前にご確認ください。
外国語の書類はそのまま出せますか。
原則として日本語訳を添えます。翻訳者に関する取り扱いは提出先によって異なることがあるため、確認してください。
登記事項証明書は何通必要ですか。
税務署への届出、年金事務所への届出、法人口座の開設、在留資格の申請などで使います。使う場面が多いため、まとめて取っておくと窓口へ行く回数が減ります。
この項目の根拠:法務局「商業・法人登記の申請書様式」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html)
まとめ:束ごとに管理する

外国人が日本で会社設立をするときの書類は、提出先ごとに5つの束に分かれます。公証役場、法務局、税務署と自治体、年金事務所と労働基準監督署、入管です。
- 束ごとに必要な書類を一覧にする。各機関の最新の案内で確認する
- 本国から取り寄せるものを最初に手配する。有効期限も確認する
- 登記事項証明書は複数枚取る。多くの手続きで使う
- 期限のあるものをカレンダーに入れる。5日、1か月、2か月、3か月
- 出した書類の控えを束ごとに保管する
様式と必要書類は改定されます。この記事は全体像をつかむためのものですので、実際の提出前に各機関のページをご確認ください。会社設立の登記は司法書士、在留資格は行政書士、税務は税理士へご相談ください。
このセクションの根拠:法務省「商業・法人登記」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html)
読んでくださった方へ
書類の名前を一度に見ると、多いと感じると思います。ただ、提出先ごとに分けてしまえば、それぞれの束はそれほど厚くありません。
日本で会社設立をする外国人の場合、本国から取り寄せる書類が日程を決めます。そこだけ早めに動いておけば、あとは順番に進められます。
一覧をつくって、取れたものにチェックを入れていく。地味ですが、それがいちばん確実な進め方です。
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